移動平均線大循環分析 第1回(小次郎講師氏執筆) 移動平均線大循環分析 第1回(小次郎講師氏執筆)

移動平均線大循環分析 第1回(小次郎講師氏執筆)

チャート分析は移動平均線に始まり、移動平均線に終わるといわれており、チャート分析の基本中の基本と考えられています。しかし、チャート分析は移動平均線以外にも様々な分析があり、勉強すればするほど難しい手法を探求したくなります。ところが、結局はシンプルな分析である移動平均線に戻ってくるトレーダーが多いのも事実です。そこで、私は初心者から上級者のトレーダーの方々に使いやすく、また、相場におけるエッジ(優位性)を浮き彫りに出来るように、移動平均線を進化させた移動平均線大循環分析を開発しました。これはトレンド相場ともみ合い相場(トレンドが無い相場)を見極められ、また、エッジ(優位性)のあるところからトレンド相場をしっかりと狙うことができます。この手法をしっかりと学ぶことで安定的に勝てる投資家を最短ルートで目指すことが出来るようになります。

今、世界を震撼させている新型コロナ肺炎のショックにより株価は大きく下落し、パニックになった投資家も多かったかもしれません。しかし、この移動平均線大循環分析を使っているトレーダーであれば、今回の大きく下落した相場は非常に獲りやすかったチャートであると理解しているはずです。勿論、この下落を予想できたということではありません。移動平均線大循環分析は相場の変化を教えてくれ、トレンドが発生してから終わるまでをチャートで教えてくれるのです。この移動平均線を進化させた移動平均線大循環分析がどういったものかをこれから解説していきますので楽しみにしておいてください。

(図1)

(図1): 移動平均線大循環分析で見ると「売り」で獲りやすかったことが分かります

移動平均線大循環分析は3本の移動平均線を使います。2本の移動平均線を使ってゴールデンクロスやデッドクロスでトレードする方法もありますが、もみ合い相場ではだましが増加します。ところが、移動平均線を3本使うことによって、だましを減らすことができます。そして、これが最大のメリットなのですが、大相場(大きなトレンド)を確しっかりと狙うことができます。また、非常にシンプルで誰にでもわかりやすい手法であるということもメリットです。例えば、移動平均大循環分析では買いと売りのどちらにエッジ(優位性)があるかの判定も単純明快となっています。


【買いにエッジがある状態】

・移動平均線の並び順が上から短期・中期・長期
・3本の移動平均線が右肩上がり


【売りにエッジがある状態】

・移動平均線の並び順が下から短期・中期・長期
・3本の移動平均線が右肩下がり

ここで、いきなりではありますが、トレードにおけるポイントをお話します。非常にシンプルですので是非覚えてください。買いにエッジがあるところ、売りのエッジがあるところを仕掛けます。ただし、それぞれ上記の2つの条件が揃った時にだけ仕掛けるのです。そして、これも大切なことなのですが、この条件以外の時は何もしないのです。それだけですか、といった声が聞こえてきそうですが、それだけです。というよりもそれが大事なのです。もちろん、上級者の方であれば、更に進化させたトレード手法を開発していくことは素晴らしいことです。しかし、初心者の方は特にこのシンプルなトレードにおけるポイントを理解してほしいところです。この手法のことを「パーフェクトオーダー」といいます。オーダー(注文)する前提としてパーフェクトな条件であり、パーフェクトなチャンスという意味です。

(図2)

(図2): パーフェクトオーダー (6098)リクルートHD 日足 2019年7月~2020年4月

このように、移動平均線大循環分析を使ってチャート見ることで、「エッジ(優位性)」があるところがよくわかります。そして、その見極め方も簡単です(日足・週足を使った長期トレードでも、分足・時間足を使った短期トレードでも同じように使えるというのもこの手法のメリットです)。

(図3)

(図3):週足や分足でも使える移動平均線大循環分析 (3064)MonotaRO 週足 2017年9月~2019年3月

(図4)

(図4): 週足や分足でも使える移動平均線大循環分析 (3436)SUMCO 3分足 2020年4月9日~4月10日

図3は(3064)MonotaROは週足チャートですが、エッジのあるところとそうでないところの違いがはっきりと分かります。また、図4の(3436)SUMCOは3分足ですが、これもエッジのあるところと無いところの違いがよく分かります。つまり、週足でも日足でも、また分足でもエッジを見つけることが出来るのです。

先程、買いにエッジがあるところと、売りにエッジがあるところを紹介しましたが、この移動平均線の並び順は無限にあるのではなく6つに分けられ、それをステージと表現しています。6つのステージだけだから移動平均線大循環分析は非常にシンプルなのです。そして、その6つのステージには、それぞれ論理的な根拠に基づいた意味(相場の状況)がありますので、シンプルながら奥が深い分析ができるのです。
例えば「上昇トレンドがやや勢いをなくしてきたステージ」とか「下降トレンドへの転換が明確になってきたステージ」などです。さらに、それらの相場の状況がまだしばらく続くのか、あるいは次のステージに移るのか、移るとしたらどのステージに移るのかもわかります。以上のような特徴をもつ移動平均大循環分析を活用すれば、相場において次に自分がとるべき行動が見えてきます。トレードにおいて準備が出来るようになります。この準備が出来るというのが大事なのです。初心者のトレーダーは、複雑な動きで分かりにくい時期に、どうやって利益をあげようかとあれこれ悩む傾向があります。難しい時期は誰がトレードしても難しいのです。トレードにおける成果を向上させるには、いかに「わかりやすく、獲りやすいところ」でしっかりと利益を上げられるかなのです。先程「トレードにおけるポイント」をお伝えしました。初心者の方は特にこのポイントを学んでください。わかりやすく獲りやすいところを教えてくれるのが移動平均線大循環分析なのです。

(図5)

(図5): ステージの推移

(図6)

(図6): 移動平均線大循環分析のステージの推移 (6082)ライドオンEX 日足 2019年10月~2020年4月
小次郎講師(手塚宏二)氏

小次郎講師(手塚宏二)氏 プロフィール


チャート研究家、トレード手法研究家、トレードコーチ。
タートルズのトレード手法を現代流に改良したトレードルール作成のノウハウを公開して勝てる投資家を輩出する。チャート分析の講座では、各種テクニカル分析を一般投資家がその指標を使って利益を上げられるところまで詳しく使い方を解説してくれるということで人気を博す。集大成として「移動平均線大循環分析」「大循環MACD」を独自開発。
「日本に正しい投資教育を根付かせる」ことをライフワークとし、現在門下生2千人を超える大人気講師。現在私塾「実践トレードラボ」を運営中。
みんなの株式コラムアワード2013年、2014年連続大賞受賞!
著書『真・トレーダーズバイブル』
現代の名著と呼ばれ、読者投票で選ばれる「ブルベア大賞」では、2015年準大賞、2016年大賞、2017から2018年まで特別賞を受賞するという快挙を達成。続けて『真・チャート分析大全』で準大賞を受賞する。

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