50代で貯金できない理由
好き勝手にお金を使ってきたわけではないのに、50代で思うように貯金ができていない人たちにはいくつかの理由があります。そこで、本段落では50代で貯蓄形成できない理由について紹介します。
手取り収入の減少
手取り収入とは、給与などの額面収入から所得税・住民税・年金・健康保険料などを差し引いた額をいいます。税金と社会保険料は年々増加傾向にあるため、手取り収入が減少しているのです。また、少子高齢化に基づく人口比率などを見ると、日本の年金財政は厳しいものと言わざるを得ません。そうすると、将来的に税金や社会保険料で差し引かれる額が減ることは考えにくく、ますます額面収入と手取り収入の差は広がっていくでしょう。
利息が期待できない
かつては長期金利が6~8%の高金利商品が存在しました。高齢者の中には、郵便局の定額貯金や一時払い養老保険などを活用し、長期的かつ安全確実に元本を増やした経験を持つ人も多いでしょう。しかし、90年代後半以降になると高い金利収入が期待できなくなり、安全にお金を増やすことができない時代になりました。限りなくゼロ金利に近いまま預貯金を寝かせるのが嫌であれば、リスクを覚悟して投資で運用しなければなりません。
しかし、晩婚化・晩産化により定年間際まで子どもの教育資金のやりくりに追われ、リスクをとって投資できるほどの余裕がない家庭も多い傾向にあります。このような事情から、利息が期待できなくなっているのです。
教育費の高騰
子どもにかかる教育費がかなり高騰していることも、50代が貯金できない要因の一つです。2010~2020年代の50代が大学生だった1980年代と比べ、およそ35年間で私立の授業料は約2倍前後に増えています。しかし、これに比して親世代の収入はあまり伸びていません。給料の伸び率以上に大学の授業料が高騰しているため、50代になっても老後資金作りにまで手が回らず、貯金が形成できていないのです。
50代の資産形成に大切なこと
まずは、自身の現状の収入と支出を見直し、資産寿命を延ばす計画を立てましょう。ただ金額を記録するだけでなく、現状を家族にも伝え、共通して問題意識を持つことが大切です。その上で、仕事をリタイヤ後の生活も見据えて副業で収入を得ることも検討しましょう。できれば、生活に充てる費用は収入の8割とし、残りは貯蓄に回して資産形成できると理想的です。また、資産の寿命を延ばしたいなら「企業型確定拠出年金」の「マッチング拠出制度」も役立ちます。これは、勤務先の掛け金だけでなく従業員の掛け金も拠出できる制度です。マッチング拠出制度がない場合は、iDeCoやつみたてNISAを利用することで、税制のメリットや運用利回りの恩恵を受けられるでしょう。
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自分一人で抱え込まず周りの人と協力して貯蓄計画を立てよう
50代で思うように貯金ができない理由と、検討すべき大切なポイントについて見てきました。将来的な貯蓄形成を考えるなら、本人が一人で抱え込むのではなく、家族全員で問題意識を持ちながら貯蓄に取り組むことが大切です。支出の目的や貯蓄の理由など、家庭の現状を照らし合わせながら整理し、適切な貯蓄計画を立てていきましょう。