こんにちは。ファンドアナリストの川上です。
緊急事態宣言がすべて解除となり、経済活動も再開され始め「ウィズコロナ」の時代が到来しています。本日は「ウィズコロナで注目!ピンチをチャンスに変える日本企業と中小型日本株ファンド」についてご紹介いたします。
新型コロナウイルス感染拡大、その後の新型コロナウイルスとの共存という「ウィズコロナ」の到来により、社会の構造変化が進んでいます。そんな中、その変化を捉えて新たな市場を開拓し、成長を加速させている革新的な日本企業が足元で数多く生まれつつあると考えています。過去にもリーマンショックや東日本大震災など、危機後の変革期には、社会の構造変化を加速させ、新たな革新的企業が躍進できる土壌を生み出してきました。
これらの革新的企業は、具体的には以下のような投資テーマに関連する事業を展開している企業群といえます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)
テレワーク
人工知能(AI)
コロナウイルス
5G
バイオテクノロジー
サイバーセキュリティ
遠隔医療
半導体
電子認証 など
これらの革新的企業は、創業からの期間が比較的短い企業が多く、相対的に成長性の高い企業が多いのが特徴と考えています。
こうした環境下で注目しているのが、日本企業の株式への投資であり、日本を代表する大企業(=大型株)ではなく、株式時価総額が大型株に比べて小さく、投資対象銘柄数が多い中小型株への投資が有効だと考えています。
リーマンショック後の直近10年間でみても、大型株指数よりも中型株指数や小型株指数の方が長期的に高いパフォーマンスを獲得してきたことが確認できます。
■東証規模別株価指数の推移(2010年5月末~2020年5月末)
中小型株の特徴は、①企業の情報収集が難しいこと、②企業業績や事業環境の変化が早いこと、③流動性が限定されていることから株価変動も大きいこと、などがあり、投資経験の少ない個人投資家が投資するのは、ハードルが高いでしょう。こうした点を踏まえると、中小型株の魅力を享受する有効な手段としては、投資信託による中小型株への分散投資であると考えています。投資信託にすることで、中小型株の銘柄選定と投資タイミングは、ファンドの運用担当者(ファンドマネージャー)に託すことなります。
さて、どのように中小型日本株ファンドを選べばよいのかについては、過去の運用実績を見ることが有効であり、特に長期のリターンを重視すべきだと考えています。
当社取扱いファンドで、10年リターンの上位ファンドは以下の通りとなっています。上位7ファンドは全て中小型日本株ファンドとなりました。1位のDIAM新興市場日本株ファンド(現在、買付申込停止中)は、10年リターンが年率28.89%と10年で価格は12倍超となっています。2位から7位までのファンドも年率18%から20%と高い運用実績を上げています。
当社取扱いファンドの10年リターンランキング ~1位から7位まで全て日本株中小型ファンド~
ファンド名 | 運用会社 | 1年リターン | 10年リターン (年率) |
|
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1 | DIAM 新興市場日本株ファンド (買付申込停止中) |
アセマネOne | 24.27% | 28.89% |
2 | SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ 【愛称:jrevive】 |
SBI | 7.21% | 20.22% |
3 | SBI 中小型成長株ファンド ジェイネクスト 【愛称:jnext】 |
SBI | 20.79% | 19.78% |
4 | SBI 小型成長株ファンドジェイクール 【愛称:jcool】 |
SBI | ▲8.94% | 19.68% |
5 | 新成長株ファンド 【愛称:グローイング・カバーズ】 |
明治安田 | 19.22% | 19.29% |
6 | MHAM 新興成長株オープン 【愛称:J-フロンティア】 |
アセマネOne | 6.02% | 19.02% |
7 | スパークス・M&S・ジャパン・ファンド 【愛称:華咲く中小型】 |
スパークス | 11.89% | 18.88% |
※2020年5月末基準
これらのファンドのなかでは、1年リターンも優秀なSBI 中小型成長株F ジェイネクスト(愛称:jnext)と新成長株ファンド(愛称:グローイング・カバーズ)に特に注目しています。これら2ファンドは成長株の調査・分析で定評のあるエンジェルジャパン・アセットマネジメント社の投資助言を受けて運用している同じコンセプトのファンドです。(2位と4位のファンドも同社の投資助言です。)
そのため両ファンドの組入上位銘柄は類似しており、ジェイネクストの5月29日現在の組入上位銘柄は、日本M&Aセンター(2127)、レーザーテック(6920)、MonotaRo(3064)、ジャパンマティリアル(6055)、エムスリー(2413)となっています。
社会の構造変化に適応し、ウィズコロナでも高成長が期待できる企業の株式に数多く投資していると判断される中小型日本株ファンド、それらの運用に引き続き注目したいと考えています。
川上雅人
ファンドアナリスト
中堅証券会社にて日本株アナリストとして2年半経験。大手運用会社で18年間、投資信託のマーケティング業務に従事。2019年11月、カブドットコム証券(auカブコム証券)に入社し、ファンドアナリストとして投資信託、ETF等の情報提供を担当。投資信託を投資家目線でわかりやすく解説することを目指すとともに、投資信託の情報をもとにした投資アイデアを提供。
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