デジタルトランスフォーメーションとは?
デジタルトランスフォーメーションとは経済産業省がまとめたデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)によると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義されています。この定義では「企業が」となっておりますが、広義のデジタルトランスフォーメーションはデジタル技術を利用し人々の生活や社会を変革することを指します。
インターネット通販やインターネット証券、クラウドサービスやクラウド基盤を利用したテレワーク等の働き方改革などもデジタルトランスフォーメーションの一例といえるでしょう。
新型コロナがデジタルトランスフォーメーションを加速させる?
IOTやAI(人工知能)、5G、クラウドサービス等の普及により今後デジタルトランスフォーメーションは着実に進展すると考えられていましたが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大が、さらにデジタルトランスフォーメーションを加速させる可能性がでてきました。
オンライン学習への関心が急速に高まり、テレワークやオンラインセミナーなど導入も急速に進んでいます。新型コロナウイルスの感染拡大後、ビデオ会議ソフトウェアを開発する「Zoom」(NASDAQ: ZM)の株価は大幅に上昇しました。また、加藤勝信厚生労働相は3月31日、オンライン診療を初診から認める検討に入ると表明しました。
そこで今回は、注目されるデジタルトランスフォーメーション関連銘柄をご紹介いたします。
デジタルトランスフォーメーション関連銘柄紹介
選定方法は以下の通りです。
・auカブコム証券のテーマ株アプリ、PICK UP!株テーマから「デジタルトランスフォーメーション」関連銘柄を選定
・当社の銘柄分析ツール「株スコア」にて「成長性」のスコア順位TOP10をランキング
それでは結果を見てましょう。
■企業スコア
トムソン・ロイターが各銘柄に対してトムソン・ロイターの株価や財務、収益予想データを使用して、トムソン・ロイターが定義した定量分析により算出した数値です。スコアは、成長性、割安性、企業規模、テクニカル、財務健全性の各スコアの合計から算出されています。株価分析は「ベータ」や「150日移動平均からの乖離」などから算出されます。原則として、スコアが高いほど「評価が高い」とされますが、その後の株価の値上りを約束するものではないということにご注意ください。
1位 サイボウズ (4776)
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国内で高シェアのグループウェアを提供しています。働き方改革を追い風に業績は順調な推移が続いています。同社の提供するグループウェアは、インターネット環境さえあれば、いつでも、どこでも利用できるクラウドサービスに進化し、多様な働き方を支えています。中小規模向けシェアNo.1のグループウェア「サイボウズOfficeの累計導入企業は65,000社突破を超えており、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業といえそうです。今回の新型コロナウイルス感染拡大が業績に及ぼす影響は未知数ながらも、業績も堅調な推移が続いています。
2位 ベイカレント・コンサルティング (6532)
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ITコンサルに強みを持つ、総合コンサル企業です。企業のデジタルトランスフォーメーション需要の高まりを受け、デジタル関連コンサルが好調に推移しています。同社HPのプロジェクト事例を見ると、顧客は「金融機関」「製薬メーカー」「航空会社」「エネルギー会社」「メディア企業」「通信会社」等々多岐に渡り、専門性の高いコンサルを行っていることが伺えます。
3位 テラスカイ (3915)
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米セールスフォース・ドットコムのクラウドシステムとamazonのクラウドサービス、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の導入支援・開発事業を展開しています。セールスフォース・ドットコムのコンサルティングパートナーとして国内ではトップクラスの導入実績を誇っています。また、AWS導入支援でも案件を豊富に抱えており、ここ数年、売上高を着実に伸ばしてきています。
クラウドサービスを利用する企業は着実に増加してきており、今後も需要増が見込める可能性はありそうです。
4位 チームスピリット (4397)
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勤怠管理・工数管理・経費精算など、複数の機能を一つに融合したプラットフォーム「TeamSpirit」を提供しています。米セールスフォース・ドットコムとは資本提携をしています。導入社数が1,300社超と大企業を中心に伸びており、月額の課金も積み上がっています。
こちらもここ数年、売上・利益ともに堅調な推移が続いておりました。
5位 アイル (3854)
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「販売・在庫管理システム」「実店舗・ECサイトにおけるポイント・顧客の一元管理システム」「複数ネットショップの一元管理システム」など、小売店向けシステムを開発、提供しています。課金型の好採算Webソフトが好調な推移となっておりました。
いかがでしょうか。一口にデジタルトランスフォーメーション関連銘柄といっても事業内容は各社様々です。新型コロナウイルス感染拡大が、業績や今後の事業展開に与える影響も各社異なると考えられそうです。
しかし、企業のクラウドサービス導入やテレワーク導入などは今後も着実な増加か予想され、デジタルトランスフォーメーションの流れは止まらないでしょう。
長期的な視点に立って、関連銘柄を点検するには現在の株価水準は良いタイミングになるのかもしれませんね。
カブヨム編集部