政府は7都府県を対象に緊急事態宣言を発令
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象とした緊急事態宣言を発令しました。実施期間は5月6日までです。
日本では罰則を伴う外出禁止や都市封鎖(ロックダウン)は行われないため、自発的な外出自粛による対応となります。しかし、身の回りでも新型コロナウイルス感染の話題が増加しつつある中で、自粛要請に従う国民が多いのではないでしょうか。
一方で強制力のある外出禁止令を出したイタリア等でも感染者の増加が鈍化するまでには一定の期間を要しました。日本でも今回の自粛の期間が長引くようであれば、当面は『巣ごもり消費』が増加する傾向にあるのかもしれません。
『巣ごもり消費』関連銘柄をご紹介
今回カブヨムでは、今後も物色の向かう可能性がある『巣ごもり消費』関連銘柄をご紹介いたします。単純に投資対象としてだけでなく、それぞれの企業が行っているサービスにも注目いただきたいと思っています。みなさまがそれぞれのサービスを利用することで、自宅にいても楽しめる、自粛ライフが少しでも豊かになることを願っています。
今回は以下の条件で銘柄を選定しました。
・auカブコム証券のテーマ株アプリ、PICK UP!株テーマの「巣ごもり」から
・関連度『強』の銘柄をPICK UP!
・小池東京都知事が『感染爆発重大局面』を発表した3/25終値から4/8終値までの騰落率順にランキング
それでは結果を見てましょう。
参考に当社の銘柄分析ツール「株スコア」を記載しています。(2020/4/08現在のスコア)
■企業スコア
トムソン・ロイターが各銘柄に対してトムソン・ロイターの株価や財務、収益予想データを使用して、トムソン・ロイターが定義した定量分析により算出した数値です。スコアは、成長性、割安性、企業規模、テクニカル、財務健全性の各スコアの合計から算出されています。株価分析は「ベータ」や「150日移動平均からの乖離」などから算出されます。原則として、スコアが高いほど「評価が高い」とされますが、その後の株価の値上りを約束するものではないということにご注意ください。
1位 出前館 (2484)
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21,000店舗以上が利用する、日本最大級のネット出前仲介サイト『出前館』を運営しています。中食や宅配需要の伸びを受け、売上は順調に伸びています。一方先行投資がかさんでおり、営業赤字予想となっております。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛により、宅配需要が大幅に伸びると期待されています。オーダー数は2月が前年同月比18%増、3月が前年同月比21%増となっておりました。
なお、値上がりの要因としては、3/26にLINE(3938)と業務提携契約を発表していることも大きそうです。
2位 ライドオンエクスプレスホールディングス (6082)
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宅配寿司「銀のさら」「すし上等!」宅配御膳「釜寅」などの宅配事業、提携レストランの宅配代行を行うデリバリーサービス等を展開しています。中食需要の高まりや、主力の「銀のさら」がアプリ経由で顧客数増加傾向にあることなどから20年3月期は増収増益予想です。外出を控える動きが強まるなかで、需要が拡大する可能性があります。
株価は年初来で大きく下落した後、感染爆発重大局面、非常事態宣言発令を受け、切り返しています。
銀のさらのページを見る
ライドオンエクスプレスホールディングスのページを見る
3位 オイシックス・ラ・大地 (3182)
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選りすぐりの食材を定期的に宅配するサービス『Oisix本店』、ギフトとしても利用できる旬の逸品をお取り寄せする『産直おとりよせ市場』、有機農産物宅配サービス『大地を守る会』、有機野菜、無添加食品などを宅配する『Radish Boya』などのサービスを展開しています。ミールキット(献立(食事、meal)を調理するのに必要な材料一式(kit)がセットされたもの)等が伸び、売上は堅調ですが、利益は横ばいの予想です。
4/8現在、新型コロナウイルス感染の影響拡大にともない、ご注文が殺到しているとのことで、おためしセットの販売、および定期コース「おいしっくすくらぶ」ご入会受付を一時的に休止しているようです。
4位 ビーグリー (3981)
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スマホ向けコミック配信サービス「まんが王国」、無料マンガアプリ「コミックevery」などの電子書籍事業を中心にゲーム配信なども行っています。電子書籍事業では独自コンテンツを増加していることや、独占先行配信などが寄与し、ユーザ数が伸びております。ゲーム事業は育成中ですが、足元では赤字が縮小しています。
当面、外出を控える動きが続くことから、自宅で楽しめるマンガの配信は需要が伸びるかもしれません。
5位 日本KFCホールディングス (9873)
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ケンタッキーフライドチキン(米国)を日本で主にフランチャイズ展開をしております。三菱商事系です。お手ごろな「500円ランチ」やメディアへの露出が寄与して業績は順調です。純利益は20年3月に最高を更新する予想でしたが、3月以降、外出や外食を手控える動きが業績にどうのように影響するのか注目されます。
同社はテイクアウトや宅配の「お届けケンタッキー」も行っているため、巣ごもり消費の需要を取り込める可能性もありますが、外食の落ち込みをカバーできるのかは未知数です。
株価は大きく下落した後の反発局面にあります。
いかがでしょうか。今回のランキングで宅配関係が上位に並びました。5位以下にもゲームの任天堂(7974)やソニー(6758)、漫画アプリ「マンガBANG!」を運営するAmazia(4424)など、巣ごもりを充実させるサービスを運営する会社がたくさんあります。
ぜひ、銘柄選定と、巣ごもりライフのご参考にしていただけると幸いです。
カブヨム編集部