米国株式市場ではディフェンシブ関連株への関心が高まりつつあるように見えます。
AI半導体エヌビディアの決算は良好でしたが、短期的には材料出尽くしの動きとなり、また、トランプ大統領のカナダやメキシコへの関税問題で米国内物価の上昇による景気への影響を懸念する声もあるようです。
米国では日本と同様に配当に対する関心が高く、ディフェンシブの中でも連続増配を行っている企業を選好する投資家が多いようです。
長期間にわたって連続増配できる企業は景気の影響を受けにくく、安定した業績を継続している可能性が高いといえます。
連続増配をしている銘柄をピックアップした代表的な指数にS&P500配当貴族指数があります。
これは機関投資家がベンチマーク(投資基準)としているS&P500採用銘柄の中から、連続増配25年以上、時価総額30憶米ドル(約4,500億円)以上、1日当たりの平均売買代金が500万ドル以上~というハードルをクリアした銘柄で構成されている指数です。
2024年6月時点で構成銘柄は66銘柄となっています。
景気には波があり、経済は景気の良い時や悪い時という循環を繰り返しながら成長していきます。
当然、企業業績も増益や減益の場面がある中で、25年以上も連続増配できるというのは景気が悪い時でも堅調な業績を続け、また財務基盤がしっかりしている強い企業といえるでしょう。
大手運用会社によれば、1999年末を100として指数化した場合、2024年10月末のS&P500指数(配当込み)は約8倍となりましたが、S&P500配当貴族指数は10倍以上になっているといいます。
長期で見ると、やはり増配を続ける企業のパフォーマンスが良いといえそうです。
なお、構成銘柄の平均連続増配期間は約43年とのことです。日本では花王が前期まで35年連続増配が最高です。
今回、ここではS&P500配当貴族指数採用銘柄の中から、指数ウエイト上位の銘柄からセクターの配分などを考慮し、主要銘柄をピックアップします。
50年連続配当。
世界最大の小売りチェーン。
米国を中心に「エブリデー・ロープライス(毎日安売り)」を掲げる「ウォルマート」を展開している。
ローコスト経営に強み。
会員制の「サムズクラブ」やECにも展開している。

週足表示、2025年3月17日まで
価格はNYSEBQT参照
41年連続配当。
世界最大規模の民間石油会社。
石油と天然ガス事業で探査・開発という川上分野から、精製・販売の川下分野までを一貫して手掛ける垂直統合型企業。
日本の大手エネルギー企業であるJERAと水素・アンモニアなどで協業を検討。

週足表示、2025年3月17日まで
価格はNYSEBQT参照
プロクター・アンド・ギャンブル PG プロクター・アンド・ギャンブル PG
61年連続配当。
「P&G」ブランドで展開する世界最大の日用品メーカー。
世界180カ国以上で製品を販売。
紙おむつ「パンパース」、衣料用洗剤「アリエール」、食器用洗剤「ジョイ」などが著名。
化粧品の「SK-Ⅱ」、ヘアケアの「パンテーン」なども。

週足表示、2025年3月17日まで
価格はNYSEBQT参照
51年連続配当。
バイオ製薬大手で、製薬大手のアボット・ラボラトリーズから分離。
免疫疾患や血液がん、精神・神経疾患領域に強みがある。
相次ぐM&Aで規模を拡大。
関節リウマチ薬「ヒュミラ」の一部特許切れをこなして成長。

週足表示、2025年3月17日まで
価格はNYSEBQT参照
61年連続配当。
世界最大級のノンアルコール飲料メーカー。
200ブランド以上の飲料をグループで製造。
約200カ国で事業を展開している。
ボトラーや小売業者を含む配送ネットワークに強み。
「コカ・コーラ」のほか「ファンタ」、「アクエリアス」などが著名。

週足表示、2025年3月17日まで
価格はNYSEBQT参照