データセンターを、宇宙に置くことはできないか。
一見、荒唐無稽に思える構想が現実味を帯び始めています。
2026年に入り、米宇宙開発のスペースXや半導体大手のエヌビディアなどの大手ハイテク企業が、宇宙データセンター向けの開発を進めています。
エヌビディアは2026年3月に、宇宙データセンター向けに開発したコンピューティング基盤を発表しました。
スペースXは2026年6月に、衛星軌道上で運用するAI(人工知能)データセンター衛星の初号機(A/1)の概要を公表しています。
2022年11月に生成AIが登場して以来、大量の演算を短時間でこなすデータセンターは、需要の増加で前向きな捉えられ方をしてきました。
一方、近年では電力消費量の圧倒的な多さによる電力不足や、発熱による対応策、新たな設置場所などの問題点が深刻になりつつあります。
報道によれば、米エネルギー省は2028年までにAIサーバーだけで米全世帯の6.7%から12%に相当する電力を消費するようになると試算しているそうです。
これらを解決する切り札として注目されているのが、宇宙データセンターです。
宇宙データセンターとは、宇宙で大量のデータを解析し、保存するために人工衛星や宇宙ステーション内に置くサーバーやストレージ(記憶装置)などを設置した施設を指します。
将来は月面にデータセンターを建設することも想定されます。
地球で問題となっている課題を、宇宙空間に移行することで解決しようとする取り組みです。
宇宙空間では太陽光発電の発電効率は、大気のある地球と比べて10倍以上になるといわれています。
また、24時間365日途切れることなく発電することが可能になります。
地上で建設にかかる制約も、宇宙では地下水への懸念がないほか、電力料金の上昇など近隣住民からの反発要因がなくなります。
改めて、宇宙データセンター(Orbital Data Center=ODC)とは地球にあるデータセンターの電力問題や冷却、敷地の制約を宇宙に移行しようとする試みです。
米大手調査機関では2026年3月にODCについての調査を発表しました。
それによると2035年までに最大1万8,600台のデータセンターが宇宙で稼働し、軌道上の実効コンピューティング能力は1.5ギガワットに達すると予測しています。
そのうえで、「宇宙データセンターは長らくSFの概念とされていましたが、現在は商業的実現可能性のステージに近づいている」としています。
参照:「データセンター、2035年宇宙の旅」 コストが地上の78倍でもSpaceXやGoogleが投資する理由│アイティメディア株式会社
欧州でも宇宙データセンターの実用化に向けた動きがあります。
欧州で立ち上がったASCENDというプロジェクトでは、宇宙データセンター設置によるCO2(二酸化炭素)排出量削減の実現可能性を実証するための取り組みを行っています。
EU(欧州連合)の各企業が宇宙データセンターの実現に向けて研究を進めているそうです。
一方、仮に実用化レベルになったとしても、課題もあります。
そもそも打ち上げコストが高い等、データセンターの性能の問題や故障時の対応や経済安全保障上の運用なども挙げられます。
しかし、宇宙データセンターは企業にとって、大きなビジネスチャンスといえるでしょう。
関連銘柄をピックアップします。
2025年11月にAIに特化した超高性能GPU「H100」を衛星「スタークラウド1」に搭載して打ち上げた。
宇宙データセンター構築のためとみられている。
2026年3月に宇宙向けの新たなコンピューティング事業である「Space Computing」を発表している。
宇宙データセンター、地球観測データ解析など自律的な宇宙運用を実現するための製品を発表。

週足表示、2026年9月11日まで
価格はNYSEBQT参照
航空宇宙メーカー。
実績や技術力で、世界で先行している。
最大100万基のAI衛星から成る宇宙AIデータセンター「STARMIND(スターマインド)」の構想を進めている。
報道によれば2027年に軌道実証を開始し、2027年後半から「A/1」と命名したAI衛星を配備。
大規模な衛星コンステレーション(星座のように密集して衛星を配置・運用するシステム)を構築していくという。

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傘下のAI開発企業グーグルが2025年11月に宇宙データセンター構想「プロジェクト・サンキャッチャー」を発表。
2027年初めにも宇宙実証を始動する見込み。
「TPU」と呼ばれるAIチップと太陽光発電パネルを搭載した小型衛星でコンステレーションを構成し、宇宙データセンターを構築する計画。

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衛星画像と地理空間ソリューションのプロバイダー。
地球観測画像の解析と提供が主力事業。
地球観測衛星の設計、構築、運用を手掛けている。
グーグルのプロジェクト・サンキャッチャー向けに試作衛星2機の打ち上げを予定と報道されている。

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NTT(9432) スカパーJSAT(9412) NTT(9432) スカパーJSAT(9412)
両社が共同で開発した「Space Compass」が宇宙空間のインフラ開発に展開している。
従来、衛星間のデータのやり取りには電波を使っているが、AI活用の宇宙データセンターでは、大量のデータをやり取りする必要がある。
Space Compassは電波の数倍から数十倍ほどの速度で通信できるレーザーを用いて、ネットワークを構築することを目指している。
「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想」をビジョンとしている。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年9月14日まで

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