期待感が高まるレアアース関連銘柄をピックアップ! 期待感が高まるレアアース関連銘柄をピックアップ!

期待感が高まるレアアース関連銘柄をピックアップ!

日本のレアアース(希土類)の将来性に期待が高まっています。
国立研究開発法人・海洋研究開発機構(JAMSTEC=ジャムステック)は2026年1月に小笠原諸島・南鳥島(東京都・小笠原村)沖でレアアース試験掘削を始める予定です。
地球深部探査船「ちきゅう」を使い、海面下6,000メートルにあるレアアースを含む泥を回収します。
これまで中国が圧倒的なレアアース大国でしたが、日本も存在感を高めることになるかもしれません。

南鳥島周辺のEEZ(排他的経済水域)内にはレアアースを豊富に含んだ「レアアース泥」やマンガンノジュール(海底に堆積した金属の塊、コバルトやニッケルなどを豊富に含む)が大量に存在することがわかっています。
EEZは沿岸国が資源開発や漁業などの権利を占有できる水域のことです。
レアアースとはレアメタルの仲間で、電気自動車などの小型モーター磁石、燃料電池用固体電解質、自動車排ガス処理触媒などに欠かせない素材が含まれます。
世界のレアアースの供給の約9割が中国で、日本も中国から6割近く輸入しているとされています。

今回の試掘は、世界初の海洋プロジェクトとして注目されています。
計画ではまず、2026年1月に南鳥島周辺の水深6,000メートルで、地球深部探査船「ちきゅう」の船上から採鉱機を降下させ、船上への揚泥(海底の泥を掘削し地上に引き上げる技術)を確認する試験を行います。
2027年1月には本格的な採鉱・揚泥を行う予定です。

開発に成功すれば、日本はレアアースの供給国の世界大手になる可能性を秘めているのです。
埋蔵量は1,600トン超で、世界3位になるとされています。

関連銘柄をピックアップします。

東洋エンジニアリング(6330) 東洋エンジニアリング(6330)

石油・ガス系のプラントエンジニアリング業界大手。
同社が培ってきた資源開発技術、サブシー技術を活用して海底6,000メートルからレアアース泥を回収するシステムの技術開発に携わっている。
具体的には粘性が高くスムーズに流れない海底面のレアアース泥をスラリー(液状)に変えて船上に汲み上げるシステムの基本設計などを完了し、2022年度に採鉱に成功している。

東洋エンジニアリング(6330)

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石油資源開発(1662) 石油資源開発(1662)

同社など4社が2015年に「次世代海洋資源調査技術研究組合(J-MARES)を設立。
内閣府による府省連携プロジェクトである「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)次世代海洋資源調査技術」を活用。
2018年からはSIP第2期海洋課題「革新的深海資源調査技術」に唯一の民間実施機関として参画し、南鳥島周辺EEZ海域に賦存するレアアース泥を対象とした技術開発を継続している。
2023年に後継組織である次世代海洋調査株式会社が発足し同社も出資。

石油資源開発(1662)

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いであ(9768) いであ(9768)

建設環境調査コンサルタントの大手。
官庁向け売上高が8割超。
J-MARES、後継組織・次世代海洋調査株式会社の構成・出資メンバー。
水中3Dスキャナによる水中構造物の形状把握システムなどにも展開している。

いであ(9768)

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古河機械金属(5715) 古河機械金属(5715)

報道によればレアメタルやレアアースの採掘に向けた技術開発を進めている。
地上の鉱山資源で培ったノウハウを活かし、海底から回収する機材を試作。
関連技術の特許数は共同出願も合わせて約20とトップクラス。

古河機械金属(5715)

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三井海洋開発(6269) 三井海洋開発(6269)

浮体式の原油生産貯蔵設備(FPSO)を設計・建造。
東京大学の教授が主導する「東京大学レアアース泥・マンガンノジュール開発推進コンソーシアム」では南鳥島周辺のレアアースの開発国などと進めている。
同社はコンソーシアムの「採泥・揚泥」部会に参加。
FPSOでの知見を活かし、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源の開発応用を進めている。

三井海洋開発(6269)

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太平洋金属(5541) 太平洋金属(5541)

フェロニッケル製造の専業。
2025年2月に世界で初めて商業規模の多金属(マンガン)ノジュールの連続製錬試験に成功したと発表している。
2022年に太平洋上の公海の深海底で試験採掘したマンガンノジュールサンプルから、高品質のニッケル・銅・コバルト合金とケイ酸マンガンを製造する試験に成功していた。
今回、商業用電機アーク炉を用いた14日間の連続製錬試験で、マンガンノジュール「か焼」(加熱分解)鉱450トンからニッケル・銅・コバルト合金35トンとケイ酸マンガン320トンを安定的に製造することに成功したとしている。

太平洋金属(5541)

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東亜建設工業(1885) 東亜建設工業(1885)

マリコンの大手。
南鳥島EEZのレアアース資源開発に資する各種の技術開発に取り組む。
レアアース泥採取のために適切な「解泥」技術について、同社の開発した技術を基に、JAMSTECの委託を受けて2020年に大型実証試験を実施した実績がある。

東亜建設工業(1885)

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和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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