米トランプ政権による関税政策が世界中の関心を集めています。
こうした中では他の政策への関心が薄れがちになりますが、株式市場の一部では歯科関連の政策変更に注目している動きがあります。
トランプ政権で厚生長官に任命されたロバート・ケネディ・ジュニア氏が、水道水へのフッ素添加を禁止する政策を推進していることが背景です。
ケネディ長官は水中のフッ素が関節炎から発がん性、さらには神経発達障害まで、様々な健康問題に関連していると主張しているそうです。
なお、トランプ大統領もケネディ長官の方針に賛成しているもようです。
フッ素は虫歯の予防効果があるとして、米国では1945年からミシガン州を皮切りに水道へのフッ素の添加が始まりました。
歯のエナメル質強化による衛生促進の目的もあったようです。
報道によれば米国人口の約7割が、フッ素が添加されている水道水を利用できる場所に住んでいるそうです。
ケネディ長官のフッ素添加禁止策を受けて、まずユタ州が今年3月に全米で初めて水道水へのフッ素添加を禁止しました。
5月に法律を施行したそうです。
続いて5月には米フロリダ州議会が、水道水へのフッ素添加を禁止する法案を可決しました。
現在、このほかケンタッキー州やアーカンソー州、テネシー州、ニューハンプシャー州などでも同様の法案が検討されているもようです。
また、日本の厚生労働省に相当する、アメリカ食品医薬品局(FDA)は5月中旬に、フッ素サプリメントの販売を禁じる方針を明らかにしたそうです。
一方、公衆衛生の専門家は、フッ素添加禁止措置が、虫歯や口腔衛生の悪化につながる可能性があると警告しています。
米歯科医師会などの団体は、フッ素添加は安全かつ虫歯予防に効果的として禁止に反対の意向を示しているようです。
外資系通信社によるとフロリダ州歯科医師会の会長が「水道水からフッ素を除去することで、最も効果的な手段を失うことになる。
歯科医はこれから大忙しになるだろう」と述べたと報道しています。アナリストの「水道水へのフッ素禁止は、単純計算で虫歯患者が25%増える」との見方も伝えています。
なお、日本では水道法で飲料水中のフッ化物濃度は一定以下に低くすることがと定められているそうで、虫歯予防効果はないそうです。
一方、イギリスやオーストラリア、シンガポールなどではフッ素を添加する水道水フロリデーションが行われているようです。
虫歯関連銘柄をピックアップします。
ニューヨーク州を拠点とするヘルスケア企業。
大学病院や政府系医療機関が主要顧客。
主力のヘルスケア流通事業では医師や歯科医師向けに広範囲な製品販売、サービスを提供している。
歯科向け医療関連製品で世界首位。
虫歯治療製品のほか、歯科矯正具、インプラント関連など30万種類以上を扱っている。
麻酔用注射、治療のためのレーザーにも展開。

週足表示、2025年6月16日まで
価格はNYSEBQT参照
デンツプライ・シロナ XRAY デンツプライ・シロナ XRAY
ノースカロライナ州を拠点とした歯科医師向け製品を提供する企業。
泌尿器科や腸管科用ヘルスケア消耗品の製造・販売にも展開している。
デンタルソリューション事業では麻酔薬、電動歯治療ハンドピースや歯科用セラミック、歯科診断システムなどを提供。
2016年にデンツプライとシロナ・デジタル・システムが合併。口腔内スキャナーなどにも展開している。

週足表示、2025年6月16日まで
価格はNYSEBQT参照
エンビスタ・ホールディングス NVST エンビスタ・ホールディングス NVST
カリフォルニア州に本社を置く歯科専業企業。
世界的な歯科治療用具・機器メーカー。
米国や欧州などの歯科医向けに、歯科疾患の予防・診断・治療などに関するソリューションを提供している。
歯科医院で使われるデジタル映像装置などの開発、製造にも展開している。

週足表示、2025年6月16日まで
価格はNYSEBQT参照
アライン・テクノロジー ALGN アライン・テクノロジー ALGN
歯科矯正用のマウスピース型装置「インビザライン・システム」を提供。
口腔内デジタルスキャナ製品・サービスの「iTero」にも展開している。

週足表示、2025年6月16日まで
価格はNYSEBQT参照
コルゲート・パーモリーブ CL コルゲート・パーモリーブ CL
老舗の日用品メーカー。
200カ国以上の国や地域に展開するグローバル企業。
口腔ケア「コルゲート」、「ダーリー」などを展開。歯磨き粉や歯ブラシでは世界シェア首位級。

週足表示、2025年6月16日まで
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ジョンソン & ジョンソン JNJ ジョンソン & ジョンソン JNJ
総合ヘルスケア大手。
薬用マウスウォッシュ「リステリン」や歯間清掃用品の「リーチデンタルフロス」などを手掛ける。

週足表示、2025年6月16日まで
価格はNYSEBQT参照