教育方針に合わせた教育資金の準備を
子ども関連のライフイベントなどが重なり、何かと出費が多い子育て世帯。子どもの将来のためにお金を貯めなくてはと思っているうちに、あっという間に子どもは成長して教育費のピークがやってきます。子どもが生まれた時点で教育費が必要なタイミングは確定しますので、できるだけ早い段階から資産形成をスタートしましょう。子育てに忙しい日々の中で資産形成をするポイントは、「計画」と「自動化」です。
まず、教育費がいつ、どのくらいかかるのか見積もりましょう。参考までに、下記は学年別の年間学習費総額の平均です。公立か私立かによって、かかる費用に大きな差がありますので、大まかでよいので教育方針を決めておくことも大切です。
毎年の教育費は家計から捻出するとしても、受験のための費用や入学時にはまとまった資金が必要になります。例えば、私立小学校の場合は、第1学年で年間約200万円かかります。それに加え、仮に4歳くらいから受験のための塾に通うとなると、塾代が100万円以上かかるケースもあるため、早めの準備が必要となります。
区分 | 公立 | 私立 | |
幼稚園 | 3歳 | 133,353 | 309,170 |
4歳 | 140,838 | 276,125 | |
5歳 | 198,555 | 339,341 | |
小学校 | 第1学年 | 379,539 | 2,136,449 |
第2学年 | 283,211 | 1,402,725 | |
第3学年 | 315,794 | 1,519,595 | |
第4学年 | 329,198 | 1,592,088 | |
第5学年 | 380,774 | 1,683,972 | |
第6学年 | 423,506 | 1,664,831 | |
中学校 | 第1学年 | 531,544 | 1,806,991 |
第2学年 | 443,848 | 1,218,559 | |
第3学年 | 640,925 | 1,278,255 | |
高等学校 | 第1学年 | 629,459 | 1,276,978 |
第2学年 | 457,895 | 941,873 | |
第3学年 | 455,762 | 937,550 |
また、かなり先のことではありますが、大学の費用をどのように準備するのかも検討しておきましょう。
下記は大学・短大の教育費のデータです。仮に私立理系の教育課程分を前もって用意するという場合は、大学入学までに約550万円を目標に準備をする、というように積み立てておきたい金額の目安になります。
大学 | 国立 | 2,425,200 |
私立文系 | 4,079,015 | |
私立理系 | 5,511,961 | |
私立医歯系 | 23,961,844 | |
私立その他 | 5,073,940 | |
短大 | 国立 | 949,200 |
私立 | 2,017,557 |
新NISAは教育資金にも活用できる
いつまでにいくら準備をするのか計画を立てた後は、手間をかけずに資産形成ができるようにしましょう。
大学のための資金など10年以上先に利用予定の資金については、準備予定資金のうちの一部を投資することを検討してもよいでしょう。投資信託の積み立ても預金口座から自動的に引き落としで行うことができるので、一度設定してしまえば手間がかかりません。
また、投資を行う場合は、新NISAを上手に活用しましょう。
通常、株式や投資信託などで運用して得た利益に対しては、20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で商品を購入した場合、運用益が非課税となる制度です。さらに新NISAは、下記のように子育て世帯が資産形成をしやすい制度になっています。
・非課税で保有できる期間が無期限
教育費のために運用していた資金を利用しなかった場合、そのまま老後資金として運用を継続するなど、運用期間を柔軟に選択できる。
・つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の併用が可能
つみたて投資枠で積立投資をしながら、お祝い金などまとまった資金が入った場合は、成長投資枠で一括投資をするなどの活用ができる。
・商品を売却して空いた分の非課税限度額は、年間投資枠の範囲で再利用が可能に
商品を売却して教育資金として利用した場合、空いた分の非課税限度額を老後資金など他の目的の資金形成に再度活用できる。
新NISAでは旧制度よりも柔軟な運用が可能になったことで、教育資金の準備にも活用しやすくなりました。しっかりと資金計画を立てた上で、預貯金と並行して、新NISAを活用した投資による資産形成を取り入れてみてはいかがでしょうか。