全世界株式は、アメリカの比率が高い!
家計相談に乗っていると、コストが低く、幅広く投資ができるインデックス型の投資信託の積み立てをしているご家庭が増えてきていることを感じます。
その中でも、全世界株式を対象としたインデックスファンドは、先進国(日本を含むものと含まないものがあり)と新興国を含め、1つの投資信託を買うだけで世界中の株式市場に投資ができます。初心者にも分かりやすく、人気ランキング等でも上位になることが多い投資信託です。
全世界株式という名称のため、バランスよく世界中の株式に分散投資ができるような印象がありますが、実際の投資対象国を確認していますか?
日本を含む全世界株式を対象としたインデックスファンドの月次レポートから国別構成比上位5国をピックアップしたものが下記の表です。国別構成比とは、投資資金全体を100%とした場合に、対象の国にどのくらいの割合を投資しているかを表しています。
ファンドによって異なりますが、55%前後をアメリカが占めていることが分かります。
日本も7%前後を占めていることを意外に思う方もいるかもしれません。
ファンド名 | 連動指数 | 上位5国 | ||||
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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) (三菱UFJ国際投信) |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス (配当込み、円換算ベース) | アメリカ | 日本 | イギリス | フランス | カナダ |
56.10% | 6.10% | 3.70% | 2.90% | 2.90% | ||
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)』 (楽天投信投資顧問) |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス (円換算ベース) | アメリカ | 日本 | 中国 | イギリス | カナダ |
57.70% | 6.60% | 4.40% | 4.10% | 2.70% | ||
SBI・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称 : 雪だるま(全世界株式)』 (SBIアセットマネジメント) |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス (円換算ベース) | アメリカ | 日本 | イギリス | 中国 | カナダ |
53.62% | 7.56% | 4.21% | 3.91% | 3.22% | ||
たわらノーロード全世界株式 (アセットマネジメントOne) |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス (円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし) | アメリカ | 日本 | イギリス | カナダ | ケイマン 諸島 |
56.40% | 6.30% | 3.68% | 3.05% | 3.02% | ||
つみたて全世界株式 (三菱UFJ国際投信) |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス (配当込み、円換算ベース) | アメリカ | 日本 | イギリス | フランス | カナダ |
55.90% | 6.10% | 3.70% | 2.90% | 2.90% |
※2021年5月の月次レポートより抜粋しauカブコム証券が作成
投資信託を組み合わせる時は要注意!
全世界株式インデックスファンドは、先進国と新興国を合わせた代表的な株価指数に連動しています。その構成比は、国ごとの株式市場の規模や成長性によって変わります。「全世界」とうたいつつ、構成比はアメリカが過半を占めることが多くなります。
構成比を確認せずに複数の投資信託を購入してしまうと、次のようなことが起こります。
それは、全世界株式インデックスファンドと一緒に、先進国株式インデックファンド、米国株式インデックファンドを購入している、といったことです。
先進国株式インデックスファンドでは、国別構成比の70%前後をアメリカが占めています。さらに米国株式のインデックスファンドを加えていますから、投資資産全体に占めるアメリカの比率が突出しています。
もちろん、アメリカに重点を置いて投資をするなどの意図があっておこなっているのであれば問題ありませんが、国別の構成比をお話しすると構成比までは確認していなかったというケースも散見されます。
雑誌、インターネット、S N S等でおすすめ投資信託などが紹介されているケースも増えていますが、購入する際には、必ずご自身で投資対象などの内容をしっかりと確認して、購入するかどうかの判断をするようにしましょう。