いまさら聞けない分散投資とは? いまさら聞けない分散投資とは?

いまさら聞けない分散投資とは?

はじめまして、株式会社バリューアドバイザーの田中です。
私は独立系ファイナンシャルアドバーとしてこれまで約1,000人の相談を受け、資産運用に関するコンサルティングを行って来ました。
その中で【資産運用で成功するためには基礎をしっかりと理解すること】と感じています。
この連載では豊かな人生を謳歌するために資産運用の基礎を理解していただくことを伝えて行きたいと思っています。
今回は資産運用のセオリーである分散投資について改めてご説明いたします。

卵をひとつの籠に盛るな

「卵をひとつの籠に盛るな」は分散投資の意義を現した格言です。
ここでいう卵は株や現金と思ってください。
もし現金だけでタンス預金に置いていた場合、災害時や火災で全て無くなってしまうことがあります。
また、仮に(現実ではありえないですが)すべての資産を個別企業に投資していた場合、全ての資産が投資先の動向に左右されてしまいます。
これが卵をひとつの籠に盛ってしまったときのリスクです。
この卵の盛り方は国によって大きな違いがあります。
日本の個人金融資産構成比とアメリカの構成比の違いがこちらです。

図1

日米個人金融資産構成比

出所:日本銀行、資金循環統計「家計の資産構成」より抜粋。2018年は3月末、1999年は12月末。
Flow of Funds Accounts of the United States(FRB),Public Debt Management Agency。2018年は3月末、1999年は12月末。

1999年時点で日本の投資商品の構成比は約15%に対し、アメリカは約58%でした。
その傾向は現在も変わらず、2018年3月末時点で日本の投資商品の比率は約16%。
アメリカは約54%です。
このような資産配分の結果、個人の金融資産は大きな差が生まれました。

図2

日米個人金融資産推移

1999年末から2018年までの間で100ポイント以上の差になっています。
株や不動産を買うことだけがリスクではなく、資産を現金ばかりに置いておくこともまたリスクなのです。

効果的な分散とは

分散投資とはただ分散すればいいのではありません。
例えば、自動車業界で分散投資をしても、円安などいい傾向があれば全体的に上がりますし、悪いニュースがあれば全体的に下がってしまいます。
効果的な分散投資は同じような動きをする資産を組み合わせるのではなく、逆の動きをする資産を組み合わせます。少しでも違う動きをする資産を組み合わせることでリスクが相殺され損する可能性を減らすことが出来ます。
この理論は今から70年近く前の1952年にハリー・マーコウィッツによって発表され、同氏は1990年にノーベル経済学賞を受賞しました。
下記が1985年から直近の10年保有までのリターンのブレです。

図3

投資期間別リターン

※出所:MSCI,FTSE Fixed Income LLC,Bloomberg finance LP,J.P.Morgan Asset Management
注:使用している指数は次のとおり:「先進国株式」:MSCI World Index,「先進国国債」:FTSE World Govermment Bond index,データは2020年3月31日時点で取得可能のものを掲載。
過去のパフォーマンスは将来の成果を示唆・保証するものではありません。

株式だけを保有する場合、10年間で年率―2%で資産が目減りすることもあります。
しかし、債券と株を50%で分散する場合最悪でも年率2%の上昇をしています。
分散投資は上手に活用すると負けにくい運用になるのです。

田中久登

田中久登 Hisato Tanaka

株式会社バリューアドバイザーズ 執行役員 相続診断士
証券会社に入社後、大阪の富裕層地域にて資産運用コンサルタントに従事(当時担当40億円)。
常時トップ5の社内表彰を獲得し海外研修メンバーとして選出。
帰国後に日本の金融ビジネスが欧米と大きく異なることに疑問を感じていた折、現代表取締役の五十嵐と出会い株式会社バリューアドバイザーズ設立に参画。
中立にアドバイスを行う欧米の姿勢を学ぶため、2017年米国、2019年欧州を視察しお客様サービス向上に努めている。

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