約定とは?成立する条件や「板」の見方など、基本を解説 約定とは?成立する条件や「板」の見方など、基本を解説

約定とは?成立する条件や「板」の見方など、基本を解説

執筆者:カブヨム編集部

これから株式投資をはじめる方にとっては、「株の売買は、どのように行われるんだろう」と不安に思うかもしれません。これを理解するためには、「約定」というキーワードをしっかり押さえておく必要があります。
このコラムでは、約定の基本や仕組みなどについて、三菱UFJ eスマート証券の取引画面を参考にしつつ、わかりやすく説明します。

「約定」とは、株式市場における「売り」の注文条件と「買い」の注文条件が合致し、売買が成立することをいいます。
例えば現在の価格が1株1,500円の時に、「1株1,000円で買う」という注文を出しても、条件に合う売り注文がなく、約定しないこともあります。このように、「注文を出す=確実に売買が成立するとは限らない」ため、無事に約定するかどうかは投資家にとって重要なポイントです。
思った通りに約定が成立するか否かは、市況やその商品の流動性、投資家が出した注文方法や注文価格など、様々な要因によって左右されます。

約定の基本を押さえておくためには、以下の要素を理解することが必要です。

① 株取引における約定の仕組み
② 約定が成立するタイミング(前場・後場/寄り付き・引け・ザラ場/価格優先・時間優先のルール)
③ 注文方法の種類(成行・指値・逆指値注文)


順番に見ていきましょう。

株の取引は、売り注文と買い注文の双方がなければ約定することはできません。
「買いたい人」と「売りたい人」の注文をマッチングさせる役割を担っているのが取引所です。取引所は電子システムを通じて、注文を一定のルール(後述する「価格優先」・「時間優先」など)に基づいて効率的に成立させています。
取引所のマッチングによって無事に約定が成立すると、買い手と売り手の口座保有残高やポートフォリオに反映されるようになります。

<約定の仕組み>

  • 投資家が注文を出す(買う・売る)
  • 注文が取引所のシステムに登録される
  • 他の注文とマッチングされる
  • 取引が成立する(約定)
  • 口座の残高、ポートフォリオに反映される(※実際の資金や株式の受け渡しは後日行われます)

<三菱UFJ eスマート証券のポートフォリオ画面のイメージ>

<三菱UFJ eスマート証券のポートフォリオ画面のイメージ>

※画像は三菱UFJ eスマート証券 アプリより、ポートフォリオ画面を引用して作成

ただし、注文が適切にマッチングされない場合、注文は一部のみ約定される(部分約定)こともあります。また、詳しくは後述しますが、発注方法や市場の状態も約定の速度や価格に影響を与える重要な要素です。

株取引は24時間常に成立するわけではなく、基本的には株式市場が開いている時間に売買が行われます(※なお、PTS[私設取引システム]を利用すれば、取引時間外でも売買が成立する場合があります)。
東京証券取引所の場合は、平日の午前9時~11時30分まで(前場)と、午後12時30分~15時30分まで(後場)が、株式市場の開いている時間です。ただし、取引時間外であったとしても、あらかじめ注文を出しておくことは可能です。
また、例外的に株式市場が休場している日もある点には留意しましょう(年末年始など)。

取引時間帯の中でも、特に活発に取引が成立しやすい時間帯として「寄り付き」と「引け」があります。

「寄り付き」とは、前場・後場それぞれの取引開始時に最初の価格(始値)が決定されるタイミングのことであり、この時点で多くの注文が一括してマッチングされます。
「引け」とは、前場・後場それぞれの取引終了時に、最後の価格(終値)を決定するタイミングのことです。特に後場の引けは、その日の最終的な株価を決める重要な局面であるため、注文が集中しやすく、活発に値動きする傾向があります。

とはいえ、寄り付きや引け以外の時間帯であっても、条件の合う注文があれば約定する可能性はあります。寄り付き・引け以外の取引時間帯のことを「ザラ場」と言います。
ザラ場は、東証の場合は9:00 ~11:30(前場)と、12:30~15:25(後場)です。
なお後場そのものは15:30までですが、15:25~15:30の5分間は「プレ・クロージング」と呼ばれる注文受付のみの時間となり、取引は成立しません。

<前場・後場・寄り付き・引けのイメージ>

<前場・後場・寄り付き・引けのイメージ>

※画像は当社が作成。
※2026年6月執筆時点の情報に基づきます。

注文が多く並んでいると、「どの順番で約定するのか?」と疑問に感じる方も多いでしょう。売買の優先順位は明確なルールによって決められています。

約定は、「価格優先」と「時間優先」というルールに基づいて優先順位が決まります。

まず「価格優先」とは、より条件の良い価格の注文が優先されるというルールです。例えば買い注文であれば、より高い価格を提示している注文が先に約定し、売り注文であれば、より安い価格の注文が優先されます。

次に「時間優先」は、同じ価格の注文が複数ある場合、先に出された注文から順に約定するというルールです。つまり、同じ条件であれば早く注文した方が有利になります。

この2つのルールにより、取引は公平かつ効率的に成立する仕組みになっています。

寄り付きですぐ約定が成立することもあれば、約定が成立しないままその日の取引時間が終了してしまうこともあります。実際にどのタイミングで約定するかは、注文の出し方によっても左右されます。

注文方法は、証券会社によっても複数ありますが、まず基本として押さえておくべきは「成行(なりゆき)注文」「指値(さしね)注文」の2つです。

<株の注文方法(成行注文・指値注文)>

注文方法説明主なメリット主なデメリット
成行注文売買の価格を指定せず、提示されている価格から順に約定する注文すぐに約定しやすい(タイミングを逃しにくい)価格が予想より不利になる可能性がある
指値注文「この価格で買いたい/売りたい」と価格を指定する注文希望した価格で売買できる(価格をコントロールできる)条件に合わないと約定しない

※上の表は当社が作成

また、少し応用的ですが、一定価格に達したら成行または指値注文が執行される「逆指値(ぎゃくさしね)注文」という方法もあります。ご自身の保有している銘柄にこの方法で売り注文を出しておくことで、株価の急落時に想定外の損失を防いでくれるかもしれません。あわせて覚えておくと良いでしょう。

<株の注文方法(逆指値注文)>

注文方法説明主なメリット主なデメリット
逆指値注文指定した価格に到達した時点で、あらかじめ設定した注文(成行または指値)が発注される注文損失の拡大を防ぎ、トレンドに乗りやすい指定後に価格が急変すると不利な価格で約定することがある

※上の表は当社が作成

≫その他、三菱UFJ eスマート証券の多彩な注文方法(自動売買)を確認する
≫三菱UFJ eスマート証券の国内現物株式 買い注文方法
≫三菱UFJ eスマート証券の国内現物株式 売り注文方法

注文方法を理解したら、次に知っておきたいのが「板」です。
板とは、現在市場に出されている買い注文(買い気配)と売り注文(売り気配)を一覧で表示したものです。どの価格帯にどれくらいの注文が集まっているかを確認できるため、需給のバランスや、価格が動きやすいポイントを把握する手がかりになります。

板の見方についてご説明します。
下の図をご覧いただくと、中央に価格が並んでいることが分かります(画像の1)。これが「気配値(けはいね)」と呼ばれ、売買注文で提示されている価格を示します。
その左側が売り注文(画像の2)の、右側が買い注文(画像の3)の株数を表しています。

<板の見方イメージ図>

<板の見方イメージ図>

※画像は三菱UFJ eスマート証券 アプリより、個別銘柄情報を引用して作成

気配値の並び順は、上の方が高値で、下の方が安値になります。売り注文は上の方から、買い注文は下の方から、それぞれの価格で売買を希望している注文株数が並びます。

板に表示しきれない注文も、おおまかに把握することができます。板の一番上の「OVER」の部分には、より高い価格の売り注文株数が、一番下の「UNDER」の部分には、より安い価格の買い注文株数が表示される仕組みです。

そして、売りと買いの注文が一致したところで売買が成立(約定)します。中央付近には、「最良売気配(最も安い売り注文)」と「最良買気配(最も高い買い注文)」が並びます。この2つの価格は、現在もっとも売買が成立しやすい水準を示しています。

例えば、画像では5,220円付近に買い注文が並び、5,227円付近に売り注文が並んでいます。つまり、「5,227円の売り注文を買う人が現れる」または「5,220円の買い注文に売る人が現れる」ことで、約定が成立します。
このように、売りと買いの価格差(スプレッド)が小さいほど、約定しやすくなります。

板は、「どの価格なら約定しやすいか」を判断する材料になります。特に指値注文では、板を確認しながら価格を決めることで、約定しやすさと希望価格のバランスを取りやすくなります。
なお、取引時間の直前(寄り前と呼ばれる時間帯)には、「成行注文がどのくらい出ているのか?」を確認することも可能です。画像の寄り前の部分を見ると、成行買い注文(47,300株)が成行売り注文(16,200株)より大幅に多いことが分かります。この場合、買い注文が優勢であるため、寄り付きの株価は上昇して始まる傾向があります。

これまでご説明してきたように、板の上側(売り)と下側(買い)のどちらに注文が厚いかを見ることで、需給バランス(買い優勢か売り優勢か)を判断できます。
ただし、すべての注文が実際の売買意図を適切に反映しているとは限りません。実際に売買する意思が薄いにもかかわらず、大量の注文を出して市場参加者に影響を与えようとする行為(見せ板)が実行されている可能性もあります。
そのため、板の基本的な情報は押さえつつ、板の情報だけを過信しすぎないようにすることも重要です。

株の取引は、約定した時点ですべて完了するわけではありません。実際には「約定日」と「受渡日」という2つのタイミングがあります。これは、取引の決済に一定の処理期間が必要なためです。

  • 約定日:取引が成立した日
  • 受渡日:取引の決済が行われ、株式や資金の受け渡し(決済)が行われる日

この違いを理解しておくことで、取引の流れをより正確に把握することができます。なお、日本株(現物)の場合は現在、「約定日から2営業日後に受渡」が基本ルールとなっています。

<約定と受け渡し日の例>
・2026年6月22日(月)に約定 → 2026年6月24日(水)が受渡日
・2026年6月19日(金)に約定 → 2026年6月23日(火)が受渡日(※土日を挟むため)

約定の仕組みを理解することは、株式投資の基本です。注文方法や約定のルール、板の見方まで押さえることで、より状況に応じた判断ができるようになります。
基本を理解しておくことで、無理のない取引やリスク管理につながります。まずは気になる銘柄を見つけたら、実際の取引画面を確認しながら、少しずつ理解を深めていきましょう。

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