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株を買うときは時価総額をチェックしよう! 株を買うときは時価総額をチェックしよう!

株を買うときは時価総額をチェックしよう!

時価総額とは?

時価総額とは、企業の市場価値を示す指標の一つで、通常、以下の計算式で求められます。

時価総額=株価×発行済み株式数

「発行済み株式数」は、企業が市場に流通させている株式の数で、決算短信や企業のIR情報で確認できます。

また、証券会社のWEBサイト内の各銘柄の画面でも確認することができます。
三菱UFJ eスマート証券のサイトでは、ログイン後に調べたい企業の個別銘柄情報欄から、銘柄基本→四季報→企業情報の欄に、発行済み株式数および時価総額の記載があります。
ただし、ここに表示される時価総額は株価が古く、四季報画面ではなくサマリ画面であれば、現在の株価を反映した時価総額を確認することができます。

下記の企業の時価総額は、次の通りです。

株式会社プロレド・パートナーズ(7034)
現在の株価411円×発行済み株式数11,195千株=4,601,145円

【四季報画面の例】


四季報画面の例

※上記の画像は筆者が作成


【サマリ画面の例】


サマリ画面の例

※上記の画像は筆者が作成

「株価」は1株当たりの市場での取引価格を指し、企業業績や今後の成長への期待などによって日々変動します。
一方で「発行済み株式数」は、会社が定款で定めた株式数のうち実際に発行されている株式数ですから、日々変化するわけではありません。

ただし、自社株買いなどで発行した株式を買い戻すと、発行済み株式数が減ります。逆に資金調達などの目的などで増資を行うと発行済み株式数は増えることになりますが、これらは勝手に行うことはできず登記申請などの手続きが必要です。

時価総額が大きいということは、企業が市場で高く評価されていることを意味します。一般的には、時価総額が大きい企業は安定していて業績が良いとされますし、比較的歴史のある大手企業などは時価総額が大きい傾向にあります。

また、時価総額が大きい企業は、市場での影響が大きくなります。
例えば、2025年1月27日、AIになくてはならない半導体の開発・設計の世界的シェアを誇るNVIDIAの株価が17%安となり、時価総額が1兆ドル(約154兆円)以上消失したと報道されました。これは日本の一般会計歳出よりも多い額です。一つの企業の株価が下落することによって、国家の1年分の予算に相当する金額が一瞬で吹き飛んでしまったのです。

このように、時価総額が大きい企業に関してはその企業の株価が上場している市場のみならず、全世界に与える影響が大きいので、企業動向を注視する必要があります。

株価と時価総額、どちらが重要?

時価総額が大きい企業は一般的に安定した経営基盤を持つことが多いのですが、必ずしも「時価総額が大きい=投資価値が高い」とは限りません。

例えば、時価総額が大きい企業でも、成熟産業で成長が鈍化している場合は必ずしも今後も安定したリターンが期待できるわけではありません。また、市場がその企業を過剰に評価している場合は、株価が実際の企業価値より割高になっている可能性もあります。

逆に時価総額が大きくない企業で、市場がその企業を過小評価して見過ごされているケースや、スタートアップ企業のような成長過程にある企業は時価総額が小さくても高い成長率をもつことがあります。

このようなことから、時価総額だけで判断するのではなく、その企業の将来性や市場の状況なども総合的に考慮する必要があります。

企業側における時価総額が大きいメリットとしては、次のような点が挙げられます。

1.買収リスクが少ない
株式の過半数を買い占めると株主の権利として実質的に経営権を握ることができます。時価総額が小さければ、過半数を買うための資金は少なくて済みますが、時価総額が大きいと相当な資金がなければ過半数の株式を買い占めることは難しいでしょう。このことから、時価総額が小さい企業は買収のリスクがあるといえます。また、過半数でなくとも、社外の投資家がある程度株式を保有していると発言権が大きくなるため、経営の自由度が小さくなることになります。

2.資金調達が容易になる
時価総額が大きい企業は市場での信用度が高いため、株式発行や社債発行による資金調達がしやすく、今後の設備投資や事業拡大が容易となります。

3.投資家の注目を集めやすい
時価総額が高い企業は、株式指数の構成銘柄に選ばれやすく、機関投資家からの資金流入も期待できます。
また、投資信託に使われている指標である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(略してACWI)」は、時価総額加重型の株価指数といわれ、先進23カ国および新興国24カ国の大型株と中型株の株式市場に上場する約2,700銘柄によって構成されています。
時価総額が高い企業であれば、ACWIの構成銘柄に選定されることになります。この投資信託を購入している多くの人が株式を間接的に購入することになり、さらなる株価の押し上げにつながる傾向にあります。

時価総額が大きい企業の株を買ったほうがいい?

では、時価総額が大きい企業を購入したほうがよいのでしょうか? それは、投資戦略やリスク許容度に応じて、都度検討が必要です。

例えば、時価総額が大きい企業は、一般的に安定しているといわれ、リスクは低いということになります。市場の変動に強く、比較的堅実な成長を期待できるため、リスクを抑えたい投資家向けといえるでしょう。

一方、時価総額が小さい企業は新興企業であったり成長段階にある企業が多く、今後の成長を期待する投資家にとっては魅力的ですが株価の変動が大きくリスクがあるといえるでしょう。
また、時価総額が小さい株は、取引量が少ないため、希望の価格で取引がしにくい、場合によっては売買が成立しないということもあります。

情報面では、時価総額が大きい大企業にはアナリストによる予想や調査報告などが出されていることが多いのですが、時価総額が小さい企業の株はあまり注目されず、情報が取りにくいという面もあります。

このように、リスクを抑えて安定運用を考えるなら時価総額が大きい企業、今後の成長を見込んでリスクをとった運用を考えるなら時価総額が小さい企業を狙うのもよいでしょう。

日本株、米国株で時価総額の高い企業の例

では、時価総額が高い企業を実際に見てみましょう。

<日本株・時価総額上位10銘柄>


日本株・時価総額上位10銘柄

※2025年1月29日現在、時価総額は単位百万円
※上記の表は筆者が作成

日本株の上位企業はプライム市場に上場している大手企業が中心であり、自動車や銀行業、製造業の企業が上位を占め、成熟産業における安定的な企業が多い傾向にあります。プライム市場の上場基準に「流通株式数2万単位以上、流通株式時価総額100億円以上」という条件があるため、基本的に時価総額が大きい企業がプライム市場に集まっています。

一方、米国株では「マグニフィセント7」と呼ばれるIT企業が時価総額の上位を占めています。特に、ナスダック市場に上場している企業が多く、成長産業の中心として時価総額が拡大しています。また、世界中で事業を展開している企業が多く、世界経済への影響も大きいといえるでしょう。

<米国株・時価総額上位10銘柄>


米国株・時価総額上位10銘柄

※アルファベットの株式は議決権の違いでC(GOOG)とA(GOOGL)があります
※2025年1月29日現在、時価総額の単位は百万ドル
※上記の表は筆者が作成

時価総額は企業の市場価値を示す重要な指標であり、株価や発行済み株式数の変動によって増減します。時価総額が大きい企業は市場から高い評価を受け、資金調達の面で有利であり、安定性が高いと考えられます。しかし、必ずしも時価総額が大きければよいわけではなく、企業の成長性や市場環境も考慮する必要があります。
投資家にとっては、単に株価だけでなく、時価総額の推移や企業の将来性を見極めることが重要です。特に、米国市場のように成長企業が時価総額の上位に入るケースもあるため、時価総額の高い企業の動向を注視することが投資戦略の一助となるでしょう。

髙木典子

髙木典子

証券会社・銀行勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立
個人のマネー相談だけでなく、大学の非常勤講師、専門学校・高校向けの授業、企業向けマネーセミナーや、PTA向けから子供向けおこづかい教室などのあらゆる世代の人たちに向けた金銭教育・投資教育を行い、中立公正な立場からお金についての知識を広げる活動を行っている。

保有資格
ファイナンシャル・プランナーCFP®
証券外務員
DCプランナー

合同会社HAL FP OFFICE

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