話題の企業、個別株式を持っていなければ関係なし?
アメリカの半導体大手、NVIDIAの決算が過去最高益となり話題になりました。「私は個別の株式を持っていないから関係ない」と思っている方にとっても、とても大きな影響を及ぼす可能性があるニュースだったかもしれません。
NVIDIAの時価総額は2024年2月末日時点で、2兆ドル以上(日本円にして約300兆円)です。これはトヨタ自動車の約5倍にもなります( NVIDIAの時価総額:2.06兆ドル/トヨタ自動車の時価総額:59.75兆円)。
これだけ大きな時価総額の企業であれば、市場への影響もかなり大きく、決算発表は世界中が注目することとなりました。
また、時価総額が大きいということは、NVIDIAを採用しているインデックスや投資信託にも大きな影響があるということです。
以下に、米国もしくは海外株式を投資対象としているETFにおけるNVIDIAの投資比率を調べてみました。どれも保有比率上位になっており、中には保有比率が8%以上のものもあります。
<米国もしくは海外株式の代表的なETFでのNVIDIAの投資比率>
米国株式のインデックスあるいは海外株式のインデックスに投資をしていると、NVIDIAのような時価総額が大きい組み入れ上位の銘柄にインデックスの値動きが左右されます。ご自身がNVIDIAの株式を持っていなくても、影響を受ける可能性があるということを認識しておきましょう。
その他、マイクロソフト(MSFT)やアップル(APPL)も時価総額が高く、組み入れ比率は上位になっていることがほとんどですので、決算やニュースが出たときには注目すべきでしょう。
話題の株式はずっと持っていればいい?
ところでNVIDIA(NVDA)は半導体の会社と言われていますが、具体的な業務内容をご存じでしょうか?
半導体の会社と言えば、少し前まではインテル(INTC)が代表的で、パソコンの右端によくステッカーがついていました。しかし、ちなみに今、この記事を書いている筆者のパソコンのCPU(半導体の一種で演算を制御するのに重要な装置)を調べたところ、インテルではなくアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)という会社のものでした。
インテルの株価が下落しているときにアドバンスト・マイクロ・デバイセズやNVIDIAの株価が上昇してきており、株価の動向も需要の流れを物語っているようです。
※auカブコム証券より・株価はすべて2024年3月4日現在のもの
<インテルの株価>
<アドバンスト・マイクロ・デバイセズの株価>
ちなみに、NVIDIAはGPUという半導体の設計に特化しており、通常私たちが使うようなパソコンに使用されるものではなく、より高性能なグラフィックスや計算、ディープラーニングを必要とする分野で使われるようです。CPUよりも高度な計算を得意とするのがGPUとご理解いただくとよいでしょう。電気自動車や人工知能には欠かせない部品であるため、その需要は拡大しています。
<NVIDIAの株価>
最新機種と思って購入したパソコンもあっという間に古い機種となってしまうように、技術の進歩はとても早いです。NVIDIAの次の半導体企業が出てくる可能性もあります。インデックスは定期的に銘柄の入れ替えがありますが、個別株式を購入した場合は、自分で入れ替えない限り変わりません。長期保有目的であっても、事業内容や業界のトレンドなどを見て入れ替えすることを考えたほうがよいでしょう。