相場が悪いと利益が出る!? ベア型ファンドの仕組みを知ろう 相場が悪いと利益が出る!? ベア型ファンドの仕組みを知ろう

相場が悪いと利益が出る!? ベア型ファンドの仕組みを知ろう

一般的なインデックス運用のファンドの場合、投資対象が上昇すれば基準価額が上昇し、投資対象が下落すれば基準価額が下落します。

長期で投資を考えるのであれば、市場の成長を信じて、一時期の相場の変化に一喜一憂しないことが大事です。
しかし、相場の下落が続くと「本当に投資を続けていて大丈夫?」と不安になることもありますし、「何とかして下落相場の時でも利益を出せないか」と思うこともあるでしょう。

そんな時は、下落相場で利益が期待できるベア型ファンドへの投資を検討するのも一案です。

ベア型ファンドとは、先物取引やオプション取引を行い、対象とする指数などの値動きに対して反対方向の値動きをするファンドです。

先物取引などでは、将来購入する資産を事前に約束した値段で売却する、といった取引が可能です。
例えば、ある株式銘柄を将来1,000円で売る約束をして、その後、株価が800円の時に購入し、約束の1,000円で売るといった取引を行うことができます。この場合、200円の利益を得ることが可能です。
ベア型ファンドでは、この仕組みを使って、相場の下落時に利益を得ています。

ベア型ファンドの「ベア」とは熊のことで、熊が前足で上から下に攻撃する姿に由来しています。

ベア型ファンドは下落相場の時に利益を得ることができる以外に、値動きの大きさも特徴の一つです。
ベア型ファンドの多くの商品は、参考指数の値動きの大きさに対して、逆方向に1~5倍程の大きさで値動きします。
これは、先物取引などは、証拠金という制度を使って投資する金額の何倍もの取引を行うからです。
下図は、3倍の値動きするベア型ファンドの参考指数とファンドの値動きの例です。

<ベア型ファンド(3倍)の値動きイメージ図>
ベア型ファンド(3倍)の値動きイメージ図

※上の図は筆者が作成

ベア型ファンド以外に相場の下落時に利益を得る方法として、先物取引やオプション取引に直接投資をすることも可能ですが、先物取引やオプション取引では投資した額以上の損失が出る可能性もあります。

これに対してベア型ファンドは、ファンド内で先物取引やオプション取引が行われていますが、投資した額以上の損失が出ることはありません。
つまり、下落相場での利益を期待しながら、損失は最大でも投資した額までに抑えることができるのです。

ベア型ファンドに投資する場合は、一般的なファンドと同じような投資対象やベンチマークとする指数などの他に、指数に対する値動きの倍率も確認して、「こんなに大きな値動きをするとは思わなかった」ということがないようにしましょう。

中野敦成

中野敦成

FP事務所LBプランニング 代表
大阪府堺市生まれ。理系大学卒業後、自動車会社などで設計支援業務に携わる。
1998年の株式売買手数料の自由化やネット証券の誕生をきっかけに株式投資を開始。株の売買のための情報種数をしている中でファイナンシャルプランナー資格に出会う。
投資の知識のためにとファイナンシャルプランナー資格を取得した際に、「お金のことを知っていると知らないでは世界がこんなに変わるのか!」と感銘を受け、資格取得後、FP事務所LBプランニングを開設。
現在は大阪市内の事務所で個人向けのFP相談業務を中心に資産運用や保険、ライフプランに関する執筆・セミナーなどを行っている。

FP事務所LBプランニング

最短10分で申込み完了!
無料口座開設はこちら

ページの先頭へ戻る