ミーム株ってなに?
SNSなどで「あの企業の株が上がりそうだから買ったほうがいい」といった書き込みを見かけて気になり、購入をした経験がある方もいるのではないでしょうか。
SNSなどネット上で話題になる「はやり株」のことをミーム株といいます。
ミーム株は短期間に株価が2倍、3倍…ときには100倍近くまで暴騰するといったこともあり、SNSなどで話題にのぼることも珍しくありません。
ミーム株の代表的な銘柄例として、アメリカのゲーム小売企業「ゲームストップ」があります。
2021年頃、この企業の株価下落を予想した機関投資家は、大量空売りの対象にしていました。
※株価がさらに下落した時に買い戻すと利益がでるため
その様子を見て、機関投資家の株式操作によって損失を被っていると考えた個人投資家がアメリカのSNSで呼びかけます。
この呼びかけによって「ゲームストップ」株への買い注文がタイミングを合わせて一斉に出され、その結果、図のように株価は暴騰し、株価の下落を予想していた機関投資家は巨額の損失を被りました。
【例 ゲームストップ株の値動き推移】
A 業績低迷により株価低下を期待した機関投資家の空売り対象に!
B 機関投資家の買戻しのタイミングを見計らい、SNSで結託した個人投資家の一斉買い注文により株価が暴騰!下落時に買い戻そうと考えていた機関投資家は大損を被ることに!
C 暴騰させる目的を達成した後、株価は急落
D ミーム株の情報に出遅れた個人投資家が、高値買いの損を取り戻そうとするため株価が動く
E 企業業績は低迷を続けているため、好材料もなく、騒動前の株価水準に近づいていく
ミーム株に手をだしてもいい?
現代ではSNSを多くの人が利用し、投資先企業の選定にSNS上の話題などを参考にしている人もいるでしょう。
また、株式投資の初心者であっても、面白そうだからミーム株を探してみたいという人もいるでしょう。
確かにミーム株は個人投資家がタイミングを合わせて買い注文を一斉に出すことで、株価が暴騰し、大きなリターンを得られる可能性はあります。
本来、株式投資は、現在の企業業績や今後の見通しなど、投資する根拠となる情報を分析、判断して行われるものです。
しかし、ミーム株の値動きは、SNSで注目されるか否かによるため、企業業績等による根拠はありません。
また、ミーム株の騰落の動きは短期間であるため、話題になった頃には、既に株価が暴騰した後であることも多いでしょう。
企業業績等の根拠がない暴騰には、そのまま株価が上がり続ける保証もありませんし、ミーム株にのった個人投資家の熱が下がれば、あっという間に暴落する可能性もあります。
投資というより投機といえるミーム株は、とてもリスクの高いものです。
SNSなどネット上で話題になる前から情報をこまめにチェックして、株価上昇の動きに合わせて売買を完了させれば大きな利益を得られる可能性もありますが、短期間の情報戦です。
大きなリスクをとりたくないという方は、企業業績の情報やチャートの動きの分析によるセオリーに従った投資がおすすめです。
それでも、投資経験や余裕資金が増えてから遊び心程度で、ミーム株に少額投資をしてみるのは面白いかもしれませんね。