結果を出せる人が持っているメタ認知能力とは
投資をおこなう人に身につけていただきたい能力の一つがメタ認知です。変化が激しく複雑な時代において、高い成果を出すために有益なビジネススキルとして注目されており、文部科学省の新学習指導要領にも取り上げられるなど教育の分野でも必要とされている能力です。
メタには「高次の」という意味があり、「メタ認知」は、思考や能力など自分自身が自然に認知していることを高次の視点から客観的に見ることを言います。俯瞰して自分を見ている状態です。
自分が何を知っていて、何を知らないのかという記憶や知識、自分は何ができて、何ができないのかという能力や行動、さらに自分の思考や判断などを客観的に観察するモニタリングのスキルです。そして、それを踏まえて感情や思考、行動をコントロールするスキルをあわせた能力です。
メタ認知能力が高い人は、冷静に判断をして戦略的に行動ができ、物事の本質を捉えることができると言われています。変化に柔軟に対応するために必要な能力と言えるでしょう。
<メタ認知のイメージ図>
投資判断に必要なメタ認知
投資をおこなう上でもこのメタ認知は欠かせません。
投資をおこなっていると、さまざまな認知バイアス(ゆがみ)が判断の邪魔をします。
例えば、
- 得することよりも損失を回避しようとする「損失回避性」により、損切りができない
- 自分の知識や能力を過大評価する「自信過剰バイアス」により、リスクを取りすぎ、過度な量の取引をしてしまう
- 都合のよい情報ばかり集めてしまう「確証バイアス」により、自分を正当化してしまい、正確な投資判断ができない
など、認知バイアスにより合理的ではない選択や判断をしてしまう可能性があります。
このような認知バイアスは、誰にでも起こります。そのため、自分の思考や行動を客観的に観察して、修正をするメタ認知能力が重要となってくるのです。
メタ認知能力を高めるためには、下記のようなことを意識してみましょう。
- 一呼吸置いて、客観的に自分の行動を分析することを意識する
- よりよい答えがあるのではないかと常に考える癖をつける
- なぜ? と繰り返すなど、自問自答をしながら問題を掘り下げる
- 第三者から自分の考え方や行動について意見をもらう
メタ認知能力を高めることで、自分の考えや行動を冷静に分析し、行動の修正ができるようになるなど柔軟性が身についてきます。昨今のように変化が激しい時代においての投資環境では、メタ認知能力を身につけて、変化に柔軟に対応できるようにしていきましょう。