外貨投資でおすすめは、外貨建MMFか外貨預金?
円安が話題になる中、外貨への投資に興味があるという方もいるでしょう。
外貨投資といってもさまざまな商品がありますので、その中で自分にあった商品を選ぶ必要があります。
外貨に投資をする商品には、外貨預金、外国債券、外国株式、外貨で運用される投資信託、外貨建保険、外国為替証拠金取引(FX)などがありますが、少額から投資ができ、シンプルな商品設計から初心者の方にも人気のある「外貨建MMF」と「外貨預金」の2つを比較してみましょう。
銀行に外貨の預入をする「外貨預金」に対して、「外貨建MMF」は、投資信託のひとつです。格付けが高い短期の国債などで運用されるため比較的安全性が高く、少額から投資ができます。
<外貨建MMFと外貨普通預金の比較>
外貨建MMF | 外貨普通預金 | |
---|---|---|
解約 | いつでも可能 | いつでも可能 |
保有中にかかる費用 | 管理報酬・投資顧問報酬等あり | 特になし |
金利 | 運用実績による分配 | 変動金利 適用された利率で運用 |
資産保護 | 分別管理され、金融機関が破綻した場合でも保全される | 預金保険の対象外 |
外貨建MMF・外貨預金の為替差益にかかる税金を確認しよう!
外貨建MMFと外貨預金では、為替差益に対する税金の取り扱いが異なります。
<外貨建MMFにかかる税金と外貨預金にかかる税金>
外貨建MMF | 外貨預金 | |
---|---|---|
金利にかかる税金 | 分配金の20.315%が源泉徴収 | 利息の20.315%が源泉徴収 |
為替差益にかかる税金 | 20.315%の申告分離課税 | 雑所得として課税対象 |
金利(分配金)にかかる税金はどちらも20.315%の源泉徴収です。
また、他に株式や投資信託の損失がある場合、その損失と外貨MMFの分配金は申告分離課税で損益通算が可能ですが、その損失と外貨預金の利子は損益通算ができません。
一方、為替の変動により利益が出た場合の為替差益にかかる税金は以下のようになります。
外貨建MMF
20.315%の申告分離課税。原則、確定申告が必要です。株式や他の投資信託と損益通算ができ、損失が出た場合は、最長3年間の繰越控除も可能です。ただし、特定口座の源泉徴収ありを選択した場合は、為替差益に課される税金が源泉徴収され、確定申告は不要です。
外貨預金
雑所得として課税対象となるため、給与所得など他の所得と合算をして総合課税されます。
年収2,000万円以下の給与所得者で給与を1カ所のみから得ている場合は、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。
また、自営業者や専業主婦等で年間の所得合計額が基礎控除(48万円)などの所得控除を差し引いた後に残額がなければ申告は不要となります。ただし、医療費控除等の確定申告をおこなう場合は、申告が必要となります。
なお、総合課税の税率は、所得が多いほど税率が高くなる累進課税方式が採用されています。
そのため、為替差益の金額によっては税率が上がってしまったり、専業主婦等で扶養の対象になっている人は、扶養から外れたりするケースも考えられます。また、高所得で元々の税率が高い人は、その高い税率が適用されるため、20.315%の申告分離課税である外貨建MMFよりも税金上で不利になる場合もあるでしょう。
2つとも外貨を保有するための商品ではありますが、税金面ではこのように大きな違いがあります。投資をおこなう前には、金利や手数料等だけでなく、課税方法も踏まえた上で商品を選択しましょう。