5月に売却しよう、というアノマリー
理論的根拠があるわけではない相場経験則を表す「アノマリー」。
そのうちの一つに、『セル・イン・メイ』があります。
“Sell in May, and go away,don't come back until St Leger day.”
「5月に売ってどこかに行け、セント・レジャー・デーまで戻ってくるな」という意味です。
本来これは、イギリスの投資の格言です。
「夏の株式相場は盛り上がらず、株価が上がらないので、5月には株を手放して、9月の中旬に開催される有名な競馬レース『セント・レジャーステークス』後に株を再開しなさい。」ということを表しています。
売りは5月ではなく4月頃が無難かも
「セル・イン・メイ」に当てはめて期間を区切り、過去30年間のNYダウで前年9月終値から4月終値までの騰落率と4月終値から9月終値までの損益を比較してみました。
<NYダウ 過去30年間の前年9月終値から4月終値までの騰落率と4月終値から9月終値までの騰落率比較>
前年9月終値から4月終値までの騰落率は、リーマンショックの2008年と2009年、コロナ拡大の2020年に大きくマイナスになっているのを除くと、他の年は順調に値上がりをしています。
そして、4月終値から9月終値までの騰落率を見ると、マイナスになった年が12回ありました。
また、それぞれに平均をみると、前年9月から4月までは+8.9%、4月終値から9月終値までは+0.5%と大きく差がついてます。
計測期間中については明らかに4月終値から9月終値までの損益部分のパフォーマンスは落ちていることが分かります。
次に、過去30年間のNYダウの月別パフォーマンスを見てみましょう。
<過去30年間のNYダウ月別パフォーマンス平均>
ここでは、10月から4月にかけては比較的上昇しやすいことが分かります。
逆に、5月から9月に関しては、株価のパフォーマンスが落ちています。
過去30年間は「セル・イン・メイ」が当てはまっていたと言ってもよいのではないでしょうか。
アメリカの株主総会の多くは、4月から5月にかけて行われ、その後、株主の多くは、9月に子どもたちが学校に戻るまでの間、長期休暇をとることが多いことを考えると、なんとなくこの「セル・イン・メイ」のアノマリーが当てはまるのもうなずけます。
過去30年間からすると9月終値から4月終値にかけては比較的パフォーマンスが良く、4月終値から9月終値にかけてはパフォーマンスが悪化する傾向があるようです。
是非参考になさってください。