相続が発生した! 証券会社の手続きは?
「亡くなった親が株式を持っており相続することになったのですが、どうしたらよいでしょう?」こんな相談を受けることがあります。
取引していた金融機関に連絡をすれば、手続きについて説明してもらえます。
ただし、連絡後に口座は凍結され、相続手続きが終了するまで売買など取引は一切できなくなります。
相続人が多い場合などは、必要書類を揃えるだけでもかなりの時間と労力を要します。
手続きの間に相場が大きく動く可能性もあるので、なるべく早く終えたいところです。
必要な書類が揃うと、故人である被相続人と同じ金融機関に相続する人の口座を開設し、株式等を移管することになります。
移管先の口座は、特定口座か一般口座のいずれかに限られ、NISA口座での受け入れはできません。
また、すでに他の金融機関に口座を持っていたとしても、まずは故人と同じ金融機関で口座開設・株式等の受け入れを行う必要があります。
運用を一元管理したい場合には、そこから他の金融機関への移管手続きを行うことになります。
口座内の金融商品すべてを移管できるとは限りませんので、移管元・移管先双方への確認が必要です。
相続した株式を売却するときは取得価額に注意!
相続が終わり、ご自身で口座管理されている方の中には、高値で推移しているタイミングで売却したいと考える人も少なくないでしょう。
株式等を売却すると、取得価額(=購入したときの価格)に経費を加えたものより値上がりしていれば、相続した株式等であっても税金はかかります。
故人がかなり安いときに購入しているケースでは、値上がり益が大きく、税金もその分多くかかるため、思っていたよりも手取り額が少なくなることもあります。
あらかじめ、売却代金の税引き後の概算は確認しておきましょう。
また、相続の場合、取得費に相続税額を加算できる「取得費加算の特例」の適用ができる場合(※1要件あり・図表確認)があります。
一定の条件下、確定申告が必要になりますので、詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。
<相続から売却までの流れ>