貸株サービスの魅力
株式投資の魅力に、値上がり益や配当、株主優待などがありますが、「貸株」サービスも魅力の一つです。
貸株サービスとは、保有している代用有価証券(株式、ETF、REIT)を証券会社に貸し出し、貸し出した株式に応じた「貸株料」を毎月受け取ることができるというものです。銀行にお金を預ける(貸す)と利息が受け取れるように、証券会社に株式を預ける(貸す)ことで貸株料が受け取れるのです。
貸株料は、貸株市場での需要をもとに各証券会社が決めており、銘柄によって異なります。0.02%程度からとなっていますが、高いものになると、年利10%を超える銘柄もあります。
株式を貸してしまうと、売りたいと思った時にすぐに売れないのではと心配に思われるかもしれませんが、証券会社の営業日に売り注文を出せばリアルタイムで自動的に貸株が解除され、売却することができます。
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貸株サービスの注意点
貸株はとても魅力的なサービスではありますが、下記の点には注意が必要です。
- ・NISA口座で保有している株では貸株サービスを利用できない。
- ・貸株サービスの利用中に証券会社が倒産したら、貸した株が戻ってこない可能性がある。
- ・貸出中は、配当金を受け取ることができず、配当金相当額を受け取ることになる。
配当金相当額は、雑所得扱いになるため配当控除の対象外となります。ただし、株主優待がある株式で「自動優待取得サービス」を利用している場合、配当金の権利取得日が株主優待と同日であれば、通常通り配当金が支払われます。
・「自動優待取得サービス」を利用していない場合、株式を貸している間は株主優待を受けられない。
「自動優待取得サービス」とは、株主優待の権利取得に必要なタイミングで貸している株式を自動的に口座に戻すことにより、株主優待を受けることができるようにするサービスです。
このサービスを利用すれば、貸株をしながら株主優待を受けることができますが、株主優待によっては、保有期間等の条件が付随する場合があるため注意が必要です。
例えば、長期保有をすることでプラスアルファの株主優待がある場合は、貸株をして自動優待取得サービスを利用したとしても、継続して保有しているという条件を満たすことができず、プラスアルファの優待を受けることができません。
また、このサービスは東洋経済新報社(四季報)の株主優待権利確定日情報を元にしているため、記念優待や不定期に行われるような、東洋経済新報社(四季報)の年4回の更新時に権利確定日が明示されていない株主優待は対象外になります。
信用取引の担保にしている株も貸株できる?!
現物株は信用取引の担保(代用有価証券)にしているので貸株はできない、というお客さまには、代用貸株®がおすすめです。代用貸株®とは、お客さまがauカブコム証券に預けている信用取引の代用有価証券(株式、ETF、REIT)の内、貸付に同意をいただいた代用有価証券を当社が他社(機関投資家等)に株式の貸付を行います。貸付が成立した代用有価証券の貸借料の一部をお客さまに還元いたします。
代用貸株®も、貸付中いつでも売却・品渡が可能です。面倒な手続き等で売却・品渡のタイミングを逃すことはありません。
また、代用貸株®は、自動優待取得サービスなどなくとも、貸出中も配当金や株主優待も取得でます。貸付中の株は権利確定日までに自動で返却されるため、配当金や株主優待も逃しません。
また、貸株サービスと違い、こちらは分別保管になっています。万一証券会社が破綻しても当該株式等の時価相当額を返還します。
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いかがでしたでしょうか。
株主優待や配当金目的で長期で株式を保有している方も多いと思います。塩漬けになっている株式がある、という方は、保有している株式を有効活用するために、注意点を踏まえた上で、貸株サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
秋山友美
湘南・藤沢・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
家計相談、住宅購入相談、教育資金プランニング、退職後の人生設計、資産形成、保険見直しなど地域密着型の情報提供、アドバイスをしている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。また、地域情報誌にて「家計簿コーチング」連載中。
<保有資格>
CFP®(日本FP協会認定)(財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)