デイトレードに関心を持ち始めた方の中には、「逆張り」と呼ばれる手法について知りたいのではないでしょうか。また、デイトレードの手法について、1から勉強したい方もいるかと思います。
逆張り投資は、相場の流れに逆らった考え方・視点で利益を狙う手法を指します。
ここではデイトレードの逆張り投資の仕組みから、基本的な考え方などについて経験も交えながらご紹介していきます。
逆張り投資とは
まずは逆張り手法とはなにか、分かりやすく解説します。
下落相場で買い上昇相場で売る
逆張り投資とは一般的に、株価が下落している(下降トレンドにある)時に買い、株価が上昇している(上昇トレンドにある)時に売ることです。
筆者は、株価が下落して底を打つ直前や打った瞬間、もしくは打って落ち着いたところで買い注文を入れ、その後の一時的な上昇(反発)で売る、というふうに逆張り投資をしています。状況によっては、上昇相場での一時的な下落(押し目)でも活用できます。なお「底を打つ」とは、下落している株価がある価格帯で下げ止まった場面のことです。
たとえば1株100円の株価が50円まで下がると仮定します。
その場合株価が50円、もしくは50円に下がりきる直前に買います。
そして、株価が50円や60円を超えれば、その段階で売ります。ただし40円や20円と、予想に反して下がり続けた場合は瞬時に損切りを行います。
小幅な値動きで売買を行うため1回の取引で得られる利益は、順張りより小さい傾向です。
逆張り投資は反発を狙う
逆張り投資の大きなポイントは、今上昇している相場には乗らないという点です。その代わり、下落中もしくは下落の勢いが落ち着いてきたポイントで買い、一時的な反発(下落後の一時的な上昇)で売ります。
下落幅を見誤れば買った直後に含み損を抱えるため、場合によっては損切りも行います。そのため、順張り投資の方が簡単に見えるかと思います。
順張り投資は、上昇し始める初動を見極める力と、スピード感が必要です。
さらに初動を逃すと焦りと欲が出てしまい「次上がったところで買おう…」、「ここで下がるか…、いや上がった!まだ間に合うかもしれない」という判断を繰り返し、結果的に高値掴みにつながる点に要注意です。
初動で瞬時に買いを入れられない場合は、逆張りの戦略も取り入れてみてはいかがでしょうか。
逆張り投資の注意点と考え方
ここでは実際の指数を紹介しながら、注意点や考え方について紹介していきます。
2020年11月10日のマザーズ市場は急落
11月10日は、多くの銘柄が寄り付き直後に急落し、その後大きめの反発を前場で記録しながら、後場の引けにかけて大きく下落していきました。また、寄り付きでは、多くの銘柄で一時8~9%程度の下落率(マザーズ指数)を記録しています。
他にも主な特徴としては、各銘柄の業績や材料に関わらず下がっている点でしょう。個別に見ていくと、特に悪材料は入っていません。
急落に備えて定期的な中長期トレンドの確認
11月10日のような数秒~数分での大きな下落時に逆張り投資を行わない・行ってしまった場合は、「中長期の分析」と「覚悟を持った損切り」の2点が重要でしょう。
デイトレードでも、数日や1ヶ月、6ヶ月スパンのチャートを定期的に確認し、短期間のチャートで上昇・下落どちらの傾向となるか分析します。
たとえば、1年スパンでマザーズ指数を見た場合、2020年10月時点で高値圏と捉えられます。そして、11月・12月に調整(返済売りなどによる一時的な下落局面)が入ると考え、トレードを控えたり逆張りのエントリー回数を減らしたりといった対策も行います。
もちろん100%の精度で予想はできません。しかし、大きな上昇・下落の波を確認できれば、今逆張り投資を行うのがハイリスクなのか判断可能です。
もう1つは急落に巻き込まれた場合、瞬時に損切りを行う判断力を養う重要性を理解しておきます。
含み損を抱えてしまうと「いずれ上がってくれるだろう」、「損失を確定したくない…」など、焦ってしまいます。しかし、損切りという現実から目をそらしても含み損は拡大しますし、資金の大半を失い次のトレードができないケースにつながります。
すぐに冷静な判断力を身に付けるのは難しいでしょう。そこでまずは、メンタルコントロールに関する書籍を読み、日頃からメンタル面を調整しておくのも大切です。
逆張り投資まとめ
逆張り投資は、下落が一旦落ち着くと思われる場所で買い、反発したところで売ることで、順張りと違い下落中・下落後に買うため、高値掴みは避けられます。ただし、予想外の急落リスクや底を見誤る点については注意しなければいけません。人によって、順張りと逆張りの相性は異なります。
まずは、逆張りと順張りどちらも活用しながら、少しずつ自分に合った手法を探っていきましょう。
当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。
執筆者:菊地 祥
FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。