NTTドコモ株への約20年間の積立投資の成果は? 積立投資の心得とは? NTTドコモ株への約20年間の積立投資の成果は? 積立投資の心得とは?

NTTドコモ株への約20年間の積立投資の成果は? 積立投資の心得とは?

こんにちは。NTTドコモ(9437)(以下、NTTドコモ株)がTOBで話題になっておりますね。
そこで本日は、ファンドアナリストにNTTドコモ株や日経平均株価を例にして、積立投資の心得を聞いてみました。

TOB(株式公開買付)とは・・・?

株券等の発行会社または第三者が、不特定かつ多数の人に対して、公告等により買付期間・買付数量・買付価格等を提示し、株券等の買付の申込みまたは売付の申込みの勧誘を行い、有価証券取引所外で株券等の買付を行うことをいいます。
保有されている株券等の株式公開買付(TOB)への応募は、公開買付代理人もしくは公開買付復代理人の証券会社でお申込みいただくことになります。

NTTドコモ株で積立投資を振り返ってみよう

マーケティングチーム

マーケティングチーム

NTTドコモ株が、NTTによる4割プレミアムを乗せてのTOB(株式公開買付)で話題となっていますね。もし、NTTドコモ株に約20年積立投資をしていたらどうなるのでしょうか?

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

NTTドコモ株は1998年10月に新規上場し、上場日の初値は460万円でした。その後株式分割をし、売買単位も変わっていますので、今の株価に修正すると1,840円です。その後2000年2月に修正株価で8,860円の月末高値をつけました。その高値から20年7ヶ月、毎月月末に一定額を投資していたら投資成果はどうなると思いますか?

マーケティングチーム

マーケティングチーム

NTTドコモ株のTOB価格は3,900円で、今の株価はそのTOB価格に近づいています。それでも8,860円からみるとまだ半値のため、積立投資でもプラスになるのは難しいのではないでしょうか・・・?

注)積立投資のシミュレーションは、各月末の株価終値(修正株価)で3万円を投資したと仮定して算出。取引手数料や配当は考慮しておりません。上記は過去のデータを基に当社が行ったシミュレーションの結果であり、実際の投資成果とは異なります。

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

こちらのグラフが、NTTドコモ株の月末高値の2000年2月末の修正株価8,860円から毎月月末に3万円で、2020年9月末まで積立投資をしていたらどうなっていたかのシミュレーションです。取引手数料や配当は考慮せず、修正株価のみで計算しています。
結果は、20年7ヶ月で、積立額744万円が1,438万円の評価額となり1.93倍になっています。

マーケティングチーム

マーケティングチーム

え~!!高値近辺の株価で一括投資の場合では、まだ半値くらいですよね?それなのに、毎月一定額の積立投資なら投資成果が2倍に近づくというのは、どういうことなのでしょうか?

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

NTTドコモ株はこの間、月末値だけでみると2000年の高値から2012年には株価は7分の1以下になりました。ただし、ITバブル崩壊(2000年)やリーマンショック(2008年)などをきっかけに株価が低迷した期間が長かった訳ですが、その間の積立投資で株価の安いときに購入できた期間が結果的に長くなり、購入株数を増やすことができました。

このケースでは、積立をスタートしてから14年程度は時価評価でマイナスが続きましたが、その後は株価上昇でプラスに転じました。おそらく株式の配当分を考慮すれば、高値からの積立投資スタートでも投資成果は2倍以上になる計算です。

高値からでもこの投資成果なので、持株会などでNTTドコモ株を積立投資していた方は、今回のTOBで相当恩恵を受けるのではないかと予想されます。持株会ならおそらく会社補助もあったので、評価が3倍以上の方もいるのではないでしょうか。

日経平均株価で積立投資を考えよう

マーケティングチーム

マーケティングチーム

積立投資の効果はなかなかのものがありますね。同じように日経平均株価の積立シミュレーションしたグラフがこちらになります。

注)積立投資のシミュレーションは、各月末の日経平均株価終値で3万円を投資したと仮定して算出。取引手数料や配当は考慮しておりません。上記は過去のデータを基に当社が行ったシミュレーションの結果であり、実際の投資成果とは異なります。

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

日経平均株価は直接買えませんので、仮定での話ですが、これは日経平均株価に連動を目指すインデックスファンドに近いものと考えてよいといえます。NTTドコモ株と同様に2000年2月から毎月月末に3万円積立投資をスタートしたとして算出しています。
結果は、積立額744万円は1,341万円の評価額となり、1.70倍となりました。NTTドコモ株と違って、最後の4割上乗せがなかった分、見劣りしますが、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックも関係なく、そのときの株価低迷期間が、安い株価で積立投資できるチャンスとなったため、その後の株価上昇でこのような結果になりました。

長期でみれば山型チャートがU字チャートに変わることも

マーケティングチーム

マーケティングチーム

日経平均株価の積立シミュレーションも評価額がプラスですね、こうしてみると長期の積立投資の効果を実感しますが、注意点もありますね?

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

積立投資は万能ではなく、今回のNTTドコモ株や日経平均株価のケースのような、途中下がって最後に上がるというU型チャートには強いですが、途中上がって最後に下がるような山型チャートには弱い点に注意が必要です。あとこれは当然ですが、右肩下がりの資産に投資してしまっては、積立でも効果はなく、最終局面でしっかり上がっているかが重要です。また、順調に右肩上がりを続いている資産は、積立投資より一括投資の方が有効です。

ただし、長期で見れば山型チャートがU型チャートに変わることもあるでしょう。今回のNTTドコモ株は上場来安値をつけた8年前までは山型チャートでしたが、今となってはU字型に変わった良い例といえます。長期でみるとそのチャンスがくるかもしれないといえるでしょう。

最近積立投資を始めた方は、今回のコロナショックで投資している資産が、山型チャートになってしまってびっくりした方も多いのではないか思います。ただし、今となっては多くの資産がU字チャートに変わりつつあるのではないでしょうか。長期を前提とした積立投資においては、株価下落などで山型チャートになってしまっても、慌てないことだと思います。
マーケティングチーム

マーケティングチーム

資産が下がってしまうと慌ててしまう気持ちもわかりますが、やっぱり積立投資は長い目で見なければいけませんね!

ファンドアナリスト川上

ファンドアナリスト
川上 雅人

投資信託で投資をはじめる方は、時間を味方に、例えばインデックスファンドなどで積立投資をはじめてみてはいかがでしょうか。

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ファンドアナリスト 川上雅人

川上雅人

川上雅人


auカブコム証券 ファンドアナリスト

中堅証券会社にて日本株アナリストとして2年半経験。大手運用会社で18年間、投資信託のマーケティング業務に従事。2019年11月、カブドットコム証券(auカブコム証券)に入社し、ファンドアナリストとして投資信託、ETF等の情報提供を担当。投資信託を投資家目線でわかりやすく解説することを目指すとともに、投資信託の情報をもとにした投資アイデアを提供。

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