高配当株(高配当銘柄)とは?
「配当」とは、会社が得た利益の一部を株主に還元するお金のことです。「高配当株」とは、「高配当銘柄」とも呼ばれています。一般的に、配当利回りの高い株式のことを指して使われます。配当利回りとは1株あたりの現在の株価に対し、1株あたりの年間の配当金で割って、100をかけた割合のことです。配当利回りが高いものは、その分高配当となり、人気が出ます。配当利回りは、株を購入するときの指標の一つとして、重要な役割を持っているのです。
配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金額 ÷ 1株あたりの現在値 × 100
高配当株の定義は難しいものの、相対評価で考えることが一般的かもしれません。例えば、2020年10月26日時点での東証1部全銘柄の配当利回りは1.96%、日経平均採用銘柄の配当利回りは2.17%。これの利回りを上回っているものは、相対的に利回りが高いといえるでしょう。以下の段落では、高配当株を購入するときのポイントやメリット・デメリットについて解説します。
高配当株を選ぶときのポイント
高配当銘柄を探す場合の注意点は、「1株あたりの年間配当金額」に過去の配当金額ではなく、1株あたりの「配当予想」を使うことと、「1株当たりの株価」に株を買う時点の株価を使うことです。また、高配当株を選ぶときには、以下のようなポイントをチェックしておくことが大切になります。まずは、配当利回りが極端に高い銘柄です。配当利回りが高すぎる銘柄は、株価が下がった影響によって配当利回りが上がった可能性があるため、注意しましょう。株価が下がっているということは、何らかの課題を抱えている可能性もあるため、会社の状態をしっかり確認しましょう。さらに、高配当株を選ぶ際は、過去の配当や株価を見比べることがポイントです。業績の変動が大きい銘柄の場合、たまたま配当利回りが高くなっているだけの可能性もあります。直近だけではなく、過去の配当と株価を照らし合わせ、配当が安定している銘柄を購入しましょう。
また、初心者で購入に不安があったり悩んだりした場合は、配当利回り以外の購入条件の中に株主優待を含めることも良い手です。食事券やクオカードなど、プラス材料の有無について確認してみると良いでしょう。
高配当株のメリット・デメリット
高配当株には、メリット・デメリットの両方があります。後悔のない選択をするためにも、しっかりと両方の要素を確認しておきましょう。まず、高配当株を保有している場合、高い配当を得られることは大きなメリットです。また、株式を保有して値上がりした場合、配当金と値上がり益の両方の利益を得られる可能性があります。
一方で、高配当株の購入は見極めが難しいことがデメリットです。株価が下落した銘柄は、配当利回りが上がるため、過去の株価を見て購入を決めることが重要になります。また、配当金はあくまでも予想であり、確定したものではありません。過去に安定して配当を支払っている企業であっても今回のコロナショックのように環境が激変し、配当予想が修正されて減配(減額)になったり、無配になったりする場合があることも覚えておきましょう。あくまでも不確定な要素があることを、念頭に置いておく必要があります。
しっかりと考えて高配当株を購入しよう
高配当株は、ポイントをしっかりと押さえて購入すれば、安定的にインカムゲインを得られる可能性があります。できるだけ高配当株の中でも、安定している銘柄に注目すると良いでしょう。さらに、購入時は直近だけではなく、過去の株価の変動や業績の推移などをチェックすることが大切です。多角的な視点で判断したうえで、慎重に高配当株の購入を決めましょう。