フリーETFは売買手数料が無料!
auカブコム証券では、2020年1月14日の約定分からフリーETFの取扱銘柄数が100銘柄となりました。フリーETFとは、当社が指定した100銘柄のETF(上場投資信託)の売買手数料(現物取引)を無料とするサービスです。
ここでは、フリーETFが100銘柄となっても、ETFの投資対象がさまざまあるため、どの銘柄を選んでよいのか分からないという方に、銘柄選択の方法をご紹介します。
ひとつの切り口としては、高い分配金利回りとなっているETFへの投資です。2019年末の日経平均株価採用銘柄の平均配当利回りは約2%ですので、例えば、ETFを通じて高配当を享受するためには、3%以上の分配金利回りを基準にETFを選ぶことが有効と考えられます。なお、株式では配当利回りといいますが、ETFにおいては分配金利回りといいます。
ETFは分配金の支払いが年1回、年2回、年4回とETFによって異なります。高配当の日本株式やREIT(不動産投資信託)を投資対象とするETFの多くは年4回(3ヶ月ごと)の支払いとなっており、一度分配金を受け取った後も比較的短期間で次の分配金を受け取れるチャンスがあります。
ETFの分配金利回りは株式でいう株価に相当するETF価格により日々変動します。分配金利回り(実績)は、日本取引所グループが提供している「東証マネ部!」のサイトにある「ETF銘柄リスト」から確認できます。
具体的な銘柄選びの方法は?
2019年12月末現在で3%以上の分配金利回りのETFは24銘柄となっています。そのうち、6銘柄を除く18銘柄が当社のフリーETFになっていますので、この中から気になる銘柄を選ぶのがひとつの方法です。
ただし、やみくもに分配金利回りが高いETFを選べばよいというものではありません。例えば、NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信(コード:1623)の分配金利回り(2019年12月末時点の実績)は、国内ETFのなかで最も高い8.13%ですが、2019年の1年間でETF価格が4.6%下落しているため、実際の投資成果(税引前)は3%半ばに低下しています。逆に、分配金利回りが低くても高パフォーマンスのETFも存在します。
そのため、過去のETF価格の値動きも考慮して投資するのが有効と考えられます。過去1年間のETF価格の上昇を考慮したランキングは以下となります。
2019年の高配当・高パフォーマンスETF
コード | 銘柄名 | 1年騰落率 | 分配金利回り | |
---|---|---|---|---|
1 | 1324 | NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信 |
44.2% | 4.29% |
2 | 1660 | MAXIS高利回りJリート上場投信 | 22.3% | 3.50% |
3 | 1597 | MAXIS Jリート上場投信 | 20.9% | 3.08% |
4 | 1345 | 上場インデックスファンド Jリート(東証REIT指数)隔月分配型 |
20.7% | 3.12% |
5 | 1546 | NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信 |
20.4% | 3.34% |
- ※2019年12月末基準。実績分配金利回り3%以上のフリーETFで1年間価格騰落率(分配金を除く)をランキング
- QUICKのデータを基に当社作成
1位はロシアの株式指数との連動を目指すETFがランクインしました。2位から4位までは昨年1年間パフォーマンスが良かったJ-REITのETFとなり、5位は米国株式のETFがランクインしました。
ロシア株式への投資は価格変動がとても大きいですが、価格変動リスクが許容でき、今後も原油価格が上昇することでロシア経済が恩恵を受けるという見通しであれば、ひとつの有効な投資対象といえるでしょう。2020年は株式よりもリスクを抑えた投資を行いたいということであれば、高い分配金利回りが期待できる外国債券ETFへの投資もひとつの選択肢となります。また、分配金は期待できませんが、金価格や原油価格との連動を目指すETFもフリーETFとなっています。
フリーETFの取扱銘柄が拡大したことにより、運用成績の良いETFや特色のあるETFがお得に買えるチャンスが広がってきました。この機会にぜひ、ETFの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ファンドアナリスト 川上雅人