ハンコ文化がテレワークの阻害要因に?
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、在宅勤務やテレワークを行った方も多いのではないでしょうか。国内では感染拡大のピークアウト感がみられつつあるとはいえ、今後のアフターコロナの世界でも、新しい生活様式としてテレワークなどの在宅勤務が推進推奨されそうです。
そんな中、テレワークの阻害要因になりそうなのが日本のハンコ文化ではないでしょうか?ハンコを押すために出社しなくてはならない人も一定数いるようです。アフターコロナの世界を見据えると印鑑や印刷物は極力減らす施策が進んでいくことが考えられます。
4月27日の経済財政諮問会議でもハンコを使用しない手続き、取引が議論されており、西村内閣府特命担当大臣は会見で、政府調達の手続、民間の取引ともにハンコを使わない電子契約が進むよう検討する旨の発言をしています。また、 経団連の中西宏明会長 も4月27日の記者会見で 「ハンコはナンセンスで、デジタルの時代にあわない」 と発言しています。
アフターコロナの世界ではハンコに頼らない電子署名・電子認証が一気に進む可能性があるのかもしれません。
電子認証関連銘柄を紹介
そこで今回は、ハンコ文化に変化をもたらすかもしれない「電子認証」関連銘柄をご紹介します。
電子認証とはネットワーク上のセキュリティー対策の一つです。利用者本人であることを電子認証局から発行される「電子証明書」を用いて電子的に確認する仕組みのことです。「電子署名」「暗号化通信」「電子署名の証明」を組み合わせた技術で、電子取引を行う際の「盗聴」や「なりすまし」などを防ぐために欠かせないシステムといえます。
今回は以下の条件で銘柄を選定しました。
・auカブコム証券のテーマ株アプリ、PICK UP!株テーマの「電子認証」関連銘柄をPICK UP!
・・政府が緊急事態宣言を発令した4月7日~5月22日終値までの騰落率でランキング化
結果は以下のようになりました。
1位~5位の銘柄をご紹介します。
1位GMOクラウド (3788)
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GMOインターネットグループ傘下企業です。クラウド・ホスティング事業(サーバー管理)や電子認証を中心としたセキリティ事業、電子印鑑等を提供するソリューション事業などを行っています。
電子認証分野ではセキュリティサービスのクイック認証SSLとID管理を提供しています。またGMOグローバルサインと連携した電子印鑑Agreeは同社ホームページによると「電子署名」タイプ電子契約サービスでは導入社数国内No.1となっています。(同社調べによる)
電子認証分野が好調で株価も直近大きく上昇しており注目されています。
2位弁護士ドットコム (6027)
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同社は日本最大級の弁護士検索・法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営し、弁護士向け営業支援と一般会員向け法律相談を行っています。
電子認証分野ではクラウド型の電子契約サービス、クラウドサインの提供を行っています。同社ホームページによると電子契約サービス市場累計登録社数No.1とのことです。(※電子契約サービス主要12社において、有償・無償を含む発注者側ベースでの利用登録社数(株)矢野経済研究所調べ 2019年8月末現在)
最近テレビCMでもよく放映されているのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。やはり足元で大きく株価が上昇しており、注目が集まっています。
3位GMOインターネット(9449)
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上場子会社8社持つ総合インターネットグループです。また、IT分野だけでなく、金融にも強みを持っています。
電子認証分野では、1位のGMOクラウドを傘下に収めているだけでなく、国内No.1の電子証明書提供企業GMOグローバルサイン(非上場)もグループ内に抱えています。電子認証に特化しているわけではありませんが、グループの総合力で考えると、この分野のリーディングカンパニーといえるのかもしれません。
4位ジャパンシステム (9758)
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米ヒューレットパッカード参加のシステムインテグレータになります。自治体向けやNTTデータ向けの開発が主力です。
認証の分野ではセキュリティソリューションとして多要素認証ソリューション「ARCACLAVIS Ways(アルカクラヴィス ウェイズ)」や総務省発行の手引き「企業が安心して無線LANを導入・運用するために」に紹介されている証明書認証方式を構築する「HP Aruba証明書認証方式セキュア無線LAN)をはじめとして、リモートアクセス、認証印刷など、様々なラインナップしています。
5位ソリトンシステムズ (3040)
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ITセキュリティ製品の開発・販売、コンテンツ配信サービスを行っています。カブヨムでテレワーク関連銘柄を紹介した際にも登場した銘柄で、働き方改革、インターネット分離、BYODなどの課題を、安全性と利便性を両立しながら解決するテレワークソリューション、「SecureAccess」を提供しています。
電子認証分野では電子証明書を使用したネットワーク認証に必要な機能を備え、正しい端末・正しいユーザーのみネットワークに接続できる環境を構築するネットワークセキュリティ、「NetAttest EPS」を提供しています。
いかがでしたでしょうか。
アフターコロナ時代の新しい生活様式を考えると、今後もテレワークや電子認証、電子署名、あるいはネットワークセキュリティの需要は高まる可能性があります。この機会に関連銘柄を確認し、投資の一助にしていただければ幸いです。
カブヨム編集部