注目された米大統領選挙で、トランプ前大統領が再選されました。
当初はハリス副大統領との接戦が予想されていましたが、開票後早期に決着がつくという圧勝でした。
共和党は大統領選の勝利だけでなく、議会上院でも過半数を確保し、下院でも優勢となっています(11月10日現在)。
下院も勝利なら赤をシンボルカラーとする共和党がホワイトハウスと上下院を独占する「トリプルレッド」となります。
米国では議会下院に立法権と予算編成権があり、上院では閣僚や大使などの人事承認権などがあります。
トリプルレッド実現なら、トランプ氏は公約を実現しやすい状況になるわけです。
米国株式市場では減税や規制緩和が進んで経済が活性化するとの期待から、S&P500が最高値を更新するなど「トランプ・ラリー」が進み、歓迎ムードとなっています。
一方、中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを進めている状況にもかかわらず、米10年債利回りが上昇基調にあります。
トランプ次期大統領の政策がインフレ的であることを織り込んでいるとみられています。
金利のさらなる上昇は、株式市場に逆風になる可能性もあります。
報道などによるトランプ氏の政策の方向性は以下の通りです。
- 通商政策
中国などへの関税の引き上げ - 財政政策
個人所得減税、法人減税 - エネルギー政策
化石燃料推進 - 金融政策
FRBへの利下げ圧力
金融機関への規制緩和 - 移民政策
不法移民の取り締まり強化
などが挙げられます。
気候変動問題に対する国際的な取組みである「パリ協定」からは前大統領時代に離脱しました。
バイデン大統領が再加盟しましたが、トランプ氏は当選直後に再離脱すると明言しています。
前政権時代には「地球温暖化はフェイクニュース」と発言したこともありました。
電気自動車(EV)普及には警戒の一方、石油開発企業にはビジネスチャンスが訪れそうです。
他国への関税を引き上げるとの観測の一方で、米国で作れば歓迎するとの方向性があり、米国に進出している日本の自動車や半導体企業にはメリットもありそうです。
関連銘柄をピックアップします
ゴールドマン サックス グループ GS
ゴールドマン サックス グループ GS
JPモルガンチェース JPM
JPモルガンチェース JPMなど
米金融大手。
トランプ氏は金融機関への資本規制を緩和する政策に前向きとされる。
ゴールドマン サックス グループ GS ゴールドマン サックス グループ GS
北米最大級のエネルギーインフラ企業。
石油や天然ガスのパイプライン、輸送や貯蔵業務などを展開。
石化重視政策促進なら石油製品の輸送や貯蔵の需要が増加へ。
日本の防衛・宇宙の代表的企業。
トランプ氏は同盟国に、自国の防衛力強化を求めてくる可能性が高い。
川崎重工業(7012)
川崎重工業(7012)、IHI(7013)
IHI(7013)なども同様。
リクルートホールディングス(6098) リクルートホールディングス(6098)
求人情報検索エンジンのIndeed(インディード)は2012年に買収した米国企業。
米経済の活性化で雇用が活発化すればメリット大きい。