暴落時に慌てない「リスク管理」を考える
株価の暴落は、投資家にとって避けられないリスクの一つです。適切なリスク管理を行い、暴落時にも冷静に対処することが大切です。
リスク管理の基本は、ご自身の投資目的やリスク許容度を明確にし、それに基づいた戦略を立てることです。例えば、長期投資で運用するのか短期投資で運用するのか、ハイリスクハイリターンを望むのか、ローリスクローリターンを望むのか、などご自身の投資スタンスを今一度考えてみましょう。
また、10万円だった株式が10%の下落、つまり9万円程度(評価損1万円)であれば受け入れられる、もしくは20%の下落、8万円程度(評価損2万円)くらいまでであれば受け入れられる、というように下落局面で自分自身が耐えられそうな水準を想像してみます。このイメージを持っておくことで、下落局面の心の準備を行なうこともできるでしょう。
もう一歩踏み込んで、リスクとリターンの数値から、その銘柄がどのくらいの確率でどのくらいの値動きをする可能性があるのかという傾向を把握しておくことも効果的です。
また、リスク管理には情報収集も欠かせません。市場の動向や経済指標を常にチェックし、予測されるリスクに対して準備をしておくことが重要です。さらに、感情に左右されず、冷静な判断を下すためのメンタルコントロールもリスク管理の一環です。株価が急落すると、パニックに陥って保有株を売却したくなるかもしれませんが、狼狽売りをするとその時点で損失が確定してしまいます。市場は時間とともに回復することが多いため、冷静に対処することが重要です。
投資のリスクを最小限に抑える「ストップロス」とは
「ストップロス」とは、一定の価格に達した時点で自動的に売却する注文を設定することで、損失を最小限に抑える手法です。「ロスカット」や「損切り」とも表現されます。auカブコム証券では、ストップロスに適した自動売買を数多く取り揃えています。
●逆指値
株価が「〇円まで下落したら売り」、「〇円まで上昇したら買い」と、損失の拡大を防ぐためのロスカットや株価上昇時のトレンドフォロー等にご利用いただける注文方法です。ストップロスの際利用される最もスタンダードな注文方法といえます。
例)500円で買った株を450円になったら売る
●トレーリングストップ
株価の変動に応じて逆指値の価格を自動修正する注文方法です。売り注文では、株価が上昇するにつれて逆指値も自動的に引き上げられ、利益を最大化しつつ逆方向の動きに備えられます。「せっかく利益が出ていたのに、相場を見ていない時に価格が急落して含み損になってしまった」などの対策として便利な注文です。価格が上昇した場合、その上昇に応じて少しでも利益を確保したい場合に有効です。
例)500円で買った株を、株価が高値-50円になったら売る
●W指値
現在値の上下で指値と逆指値注文を同時に発注する注文方法です。利益確定と損切り(ストップロス)の同時注文等にご利用いただけます。また、W指値は不成もご指定いただけます。
例)500円で買った株を、利益確定は550円で売り、損切りは450円で売り。
例)500円で買った株を、利益確定は550円で売り、損切りは株価が450円で売りだがどちらも約定しなかった場合は引けで成行注文へ訂正する。
リスクの分散投資を意識したポートフォリオの作り方
ポートフォリオとは、運用商品の組み合わせのことです。異なる業種や地域の銘柄・異なる商品を組み合わせることで、一つの銘柄が値下がりしても他の株式や商品でカバーすることでリスクを分散させることができます。
ポートフォリオを作成する際には、自分の投資目的やリスク許容度に応じたバランスを考えることが大切です。例えば、リスクを抑えたい場合は、安定した収益が期待できる債券や安定運用を目標とするバランス型の投資信託を多めに組み入れると良いでしょう。一方で、高いリターンを狙う場合は、成長が期待できる国内外の銘柄を中心にポートフォリオを構築することが考えられます。
また、定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じてリバランスを行うことも重要です。市場の変動や自身のライフステージの変化に応じて、適切な調整を行うことで、リスクを抑えつつ、安定したリターンを目指すことができます。人によって収入や生活環境は異なります。自分の収支の状況や生活環境、そして今後予定されているライフイベントを考慮しながら、ポートフォリオを組むようにしましょう。
このように、リスク管理を徹底することで、株価の暴落時にも冷静に対処し、長期的な資産形成を目指すことが可能です。投資の成功には、リスクを理解し、ご自身に合った適切な対策を立てることが大切です。