執筆者:カブヨム編集部
[株価暴落時のマインドセット:歴史的下落からの教訓]のとおり、マーケットは過去に幾度となく暴落を経験してきましたが、金融政策や経済成長とともにその後に新たな高値を取ってきました。
このことから、マーケットの急変が起きた際に、どうしても売却をしなければならないといったことでなければ、基本的には慌てて売却する必要はないでしょう。
しかし、いざ急変が起きたときには、そのまま静観すべきなのか、急いで損切りをしたほうがいいのか、むしろチャンスとして積極的に買い増しするべきなのかと、悩んでしまうことは十分に考えられます。
そこで今回は、いずれまた急変が訪れた際に備えて、株価暴落時に取るべき行動についてお伝えします。
株価暴落時はナンピン買いのチャンス?注意点は?
大きく株価が下がったタイミングは買付のチャンスとなる場合もあります。
しかし、下落時に既に保有している銘柄の買い増し(ナンピン買い)は、以下の点に気を付けて購入をすることが大切です。
- 複数回に分けて購入する
「落ちるナイフはつかむな」という言葉が有名ですが、株価の底値は誰にもわかりません。
安いと思って購入した後に、さらに下落することは十分にありますので、購入を複数回に分けて取得単価を平準化することが大切です。 - 損切り(ロスカット)ルールを明確化する
買い増しによってさらに損失を拡大させてしまって身動きが取れなくなってしまうといったこともあります。
何があっても持ち続けるということでない場合、損切りルールを明確に決めて機動的に動けるようにすることも大切です - 底打ちと判断できる材料が揃ってから買付する
底値をピンポイントであてることはできませんが、日々の売買高や売買代金、チャートなど各種情報は底打ちの参考情報となります。
自身が底打ちしたと思える材料が揃うのをじっくりと待ってから買いにいくこともおすすめです。
株価暴落時こそチェック!投資ルールの設定
日々変動するマーケットに対して投資ルールを貫くことは、わかっていてもなかなか難しいものです。
常日頃ルールをチェックする必要はありませんが、暴落時にはまずルールをチェックすることが冷静な判断、行動へと繋がりますので、事前にルールを決めておくことをおすすめします。
【ルール例】
- 全体の投資可能金額の〇〇%を待機資金にする
投資可能金額一杯で投資をしていると、常にマーケットの動きに神経をすり減らし、株価暴落時に新たに購入することもできません。
投資可能金額のうち、いつでも購入できる資金の割合をしっかりと決めておきましょう。 - 〇〇%の利益は確保する
暴落時は驚くような速さで含み益がなくなってしまうこともあります。
含み益を伸ばしている中でも〇〇%の利益は確保するルールを決めて、暴落時に利益が損失になってしまうことを防ぎましょう。
「株価暴落時に買いたい銘柄リスト」の作成
暴落の要因によって見直す必要はありますが、ここぞという時に購入したい銘柄のリストを作成して準備をしておくと、株価暴落が起きたときにもチャンスとして捉えられるでしょう
【銘柄リストの例】
- 財務安定&高配当のインカム期待銘柄
自己資本比率が高く財務的に安定しており、さらに配当利回りの高い企業であれば安定的なインカムゲイン獲得が期待できます。
暴落時に安く仕込めれば、資産株として長いお付き合いとなることもあるでしょう。 - マーケットの急変でも高成長期待銘柄
売上高変化率(売上高が前年度比でどのくらい伸びたか)とROE(自己資本利益率)の高い、高成長期待銘柄を狙うのもよいでしょう。
高成長の継続が期待できる企業であれば、暴落後の株価の戻りや高値更新も期待できます。
株価暴落時に慌てない投資の考え方
利益を出すためには、「安く買って高く売る」が原則ですが、急変、株価暴落時は特に逆の行動を取りがちです。
また安い時に売ってしまったことで資産運用にネガティブとなり、資産運用そのものをやめてしまいかねません。
「継続は力なり」は資産運用の世界で特に大切な格言です。
10年前、20年前と振り返れば、あらゆる商品・サービスが進化して世界経済は発展しています。
これからの10年、20年後を見据え、いずれまた訪れる急変をチャンスと捉えて行動できるように、今一度準備しておきましょう。