夏枯れ相場はいつから、いつまで?
株式市場では、特定の時期や季節になると現れると言われる相場があります。
例えば、年末や年初に株価が上昇する「年末相場」や、夏場に株価が低下する「夏枯れ相場」などです。
夏枯れ相場は、市場に参加する投資家が減少し取引量が低下する夏期に見られやすい現象です。
特に8月のお盆休みの時期は、株式市場の活気がなくなり相場の動きが鈍くなる傾向にあります。
過去の事例をチェック!個別銘柄における夏枯れ相場の売買高
夏枯れ相場の特徴の一つは売買高(取引量)の減少です。東京証券取引所の月間取引高データによると、7月・8月の売買高が他の月に比べて低いことが確認できます。2022年および2023年においても8月は売買高が前後の月に比べて少なくなっています。
具体的な参考例として、売買高ランキングで首位に挙がることが多い三菱UFJフィナンシャルグループの売買高推移を見てみましょう。前後の月と比べて、7月・8月の売買高は低下傾向にあります。
<個別銘柄に見る夏枯れ相場 夏期に売買高の低下>
このように市場が不安定な動きになることがある夏枯れ相場の時期には、何か取っておくべき戦略はあるでしょうか。
売却、静観、それとも購入?夏枯れ相場の戦略は
夏枯れ相場により下落することが想定されるのであれば、下落基調に入る前に保有株を売却して利益を確保しておきたいと考える人もいるでしょう。
一旦利益を確定することで下げ局面での心理的ストレスを払拭でき、冷静な判断力を保つことができるかもしれません。株価が下落した際には安く購入する機会が得られ、新たな投資による値上がりが期待できます。つまり、利益確定などによりリスク管理と資金の有効活用が図れると考えられます。
しかし、必ず株価が下落するとは限りませんし、下落したとしても短期的な売買をすることが正解とは言い切れません。夏枯れ相場は市場の時期的な変動のため、短期的な変動に惑わされず長期的な視点で投資を行うスタンスであれば、一時的な季節要因と捉えて右往左往することはありません。あらかじめ保有資産を複数の異なる資産に分け、特定の資産に偏ることのないようリスクの軽減を図っておくことで、市場の変調にも平常心を保っていられるでしょう。
ただし、相場が低迷している時は投資のチャンスであるとも言えます。狙っていた銘柄が割安になっている場合には投資できるよう、タイミングに備えてみてはいかがでしょうか。