退職金とは？
退職金という言葉は、ビジネスシーンで耳にする機会も多いのではないでしょうか。
ただ、退職金の具体的な内容について知らない人も少なくありません。
退職金とは、勤務していた会社を退職する際、勤務先から支払われる賃金のことです。
退職金の制度は、会社によって大きく異なります。
ちなみに、退職金の支払いは法律で定められているわけではありません。
会社に支払い義務はなく、あくまでも任意です。
実際に、どのくらいの会社が退職金制度を導入しているのでしょうか。
平成30年度に厚生労働省が発表した『中小企業の賃金・退職金事情』では、従業員数1,000人以上の企業の92.3％が「退職金制度を導入している」というデータがあります。
なお、退職金の渡し方は「退職一時金制度」「企業年金制度」の2つです。
退職一時金制度は、一度にまとめて退職金が支給される制度です。
企業年金制度は退職金が分割して支給される制度となっています。
定年退職の場合の退職金の平均額
退職金の額は、企業の規模や勤続年数によって変わってきます。
平成30年に厚生労働省が発表した『就労条件総合調査結果の概要』によると、会社に20年以上勤めた45歳以上の退職者で定年を迎えた人がもらった退職金（一時金・年金）の平均は、以下の通りです。
現業職の場合は、高等学校卒業者で1,159万円程度となっています。
また、管理・事務・技術職の場合は、高等学校卒業者で1,618万円程度、大学卒業者で1,983万円程度です。
勤続年数が短い場合の退職金の平均額
それでは、勤続年数が短い場合の退職金の平均額はどのくらいなのでしょうか。
東京都産業労働局が平成30年に発表した『中小企業の賃金・退職金事情（モデル退職金）』によると、自己都合退職における勤続年数ごとの退職金平均額は以下のようになっています。
＃高等学校卒業者の場合
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・勤続年数1年：7万6,000円程度
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・勤続年数3年：18万4,000円程度
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・勤続年数5年：34万6,000円程度
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・勤続年数10年：89万8,000円程度
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・勤続年数15年：170万2,000円程度
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＃大学卒業者の場合
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・勤続年数1年：9万円程度
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・勤続年数3年：23万7,000円程度
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・勤続年数5年：43万9,000円程度
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・勤続年数10年：121万5,000円程度
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・勤続年数15年：229万8,000円程度
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このように、高校卒業者と大学卒業者の金額を比べると、大学卒業者のほうが退職金の額が高い傾向にあります。
個人の能力や実績でも退職金が変動する制度とは？
退職金と一口にいっても、企業によって制度の内容は異なります。
勤続年数に比例する「年功型」から、将来の退職金を確定せずにそのときの役職や職能等級によって会社側が掛け金を設定し、毎月積立していく「成果報酬型」を取り入れている会社もあります。
成果報酬型の場合、個人の能力や実績によって退職金が変化することが特徴です。
自社の退職金制度について把握しよう
退職金と一口にいっても、企業によって制度は異なります。
多くの企業では、勤続年数によって額が変動する「年功型」が採用されていますが、なかには個人の能力によって額が変動する「成果報酬型」を取り入れている企業などさまざまです。
自社が、「どのような退職金制度を採用しているのか」「そもそも退職金制度があるのか」について、しっかりと把握しておきましょう。
