食事制限のベースは正しい食事
緊急事態宣言が解除されつつあるものの、第二波、第三波が懸念される新型コロナウィルスの脅威。Withコロナの新しい世界では、今後もなるべく自宅で過ごそうという動きは引き続き継続しそうです。そんな巣ごもりのために家の中で過ごす時間がメインになると、一般的にはどうしても運動量が少なくなりがちです。身体を動かさなければエネルギーの消費も小さくなるため、食生活を見直さなければ肥満に結びついてしまうこともあります。だからといって、やみくもに食事量を減らせばいいとはいえません。巣ごもりで太ってしまわぬよう食事制限をすることは効果を生み出しますが、その際に重要となるのは栄養のバランスです。
たとえ一日中横になっていたとしても、必要最小限のエネルギーである基礎代謝量の分は消費されます。朝から晩まで巣ごもりだとしても、テレワークで仕事をしたり、料理や掃除などの家事をしたりはするでしょう。身体を良好な状態にキープするために使われる栄養素やカロリーの摂取は不可欠です。間違った食事制限を続けると太り過ぎをセーブできたとしても、免疫力が下がるなど、健康への悪影響が生じかねません。
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必要なカロリーはどのくらい?
一日に必要となるエネルギー量は、性別や年齢、体格などによって個人差があります。もちろん、身体活動レベルも考慮しなければなりません。厚生労働省のデータでは身体活動レベルを3つに分類していますが、今回は巣ごもり中のライフスタイルに合わせ、活動量が低い「レベル1」を参考にして考えます。レベル1に当てはまる日常生活の内容は、一日の過ごし方は座位がメインで、静的な活動が中心となっています。
厚生労働省がまとめた日本人の食事摂取基準(2020年版)にある一日に必要な推定エネルギーを挙げると、男性では18~49歳で2300kcal、50~64歳で2200kcal、65~74歳だと2050kcalです。女性は、18~29歳が1700kcalで30~49歳は1750kcalです。そして、50~64歳では1650kcal、65~74歳は1550kcalとなっています。75歳以上は、男性は1800kcalで女性は1400kcalです。
意識したいのは5つの栄養素
身体を良好なコンディションに保つために重要なのは、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、そして、炭水化物の5つです。いずれも大切な栄養素ですが食事制限をおこなう際には巣ごもりによるダメージを受けやすい筋肉のために、たんぱく質不足にならないように気を配ります。身体活動レベルが低くても、一日に摂りたいたんぱく質の目標量は成人男性でおよそ75~115g、成人女性では57~88gです。食品100gあたりに含まれるたんぱく質の平均量をみると、鶏ささみで19g、豚ロースは19~23gほどです。卵1個の中にはおよそ6.2g、納豆1パックには6.6~8.3gほどのたんぱく質が含まれています。いろいろな種類の食品を組み合わせて食事に取り入れ、一日の目標量をクリアするように心がけましょう。
バランスの良い食事で健康的な食事制限
巣ごもり中に太ってしまったとしても、過剰な食事制限をおこなうと健康を損なうリスクにつながります。たとえ家から一歩も出ることなく静かに過ごす毎日でも、健やかなコンディションを保つには基礎代謝量分のエネルギーは必要になります。一日に必要なたんぱく質を摂ったうえで、十分な野菜や果物も組み合わせ、ビタミンやミネラルの摂取量が足りなくならないように気を配りましょう。