急増した不正送金の手口は?
インターネットバンキングに犯罪者から不正なアクセスがあり、口座から勝手にお金が引き出されてしまう不正送金の被害。
警察庁の発表によると、2016年以降、発生件数・被害額ともに減少傾向が続いていたのですが、2019年9月に急増しました。このように突然被害が広がるということがあります。インターネットバンキングを利用する人は、どのような対策をとればよいのでしょうか。
一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)の注意喚起によると、急増した不正送金の流れは次のようなものです。
●電話番号でメッセージを送信できるSMS(ショートメッセージサービス)に銀行をかたり、「手続きをお願いします」などのフィッシングメールが送られる。
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●添付されているWEBサイトのURLをクリックするとフィッシングサイト(偽ログインサイト)へ誘導される。
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●インターネットバンキングのパスワード等の情報が盗まれて、不正送金が行われる。
手口はとても巧妙で、不正対策として活用されているワンタイムパスワードや秘密の合言葉なども入力させられ、盗まれているのが現状です。
また、SMSの不正なURLをクリックすることでスマホがウイルスに感染し、そのスマホに登録されている電話番号に不正なSMSをコピー送信するという手口が広がっているため、被害が急速に広がっていると考えられます。つまり、自分がウイルスに感染してしまうと、自分の知人・友人にも迷惑をかけてしまうことになりかねません。
慎重すぎるくらいの対応が大切!
このような状況下で、私たちはどのような対策をとればよいのでしょうか。次のようなポイントがあります。
●SMSやメール等で受信したリンクは、たとえ正規のものだと思ってもクリックは慎重に。
添付されているWEBサイトのURLは、正規のURLと区別できないレベルのものもあり、クリックして出てくる偽サイトもとても巧妙に作られています。そのため、受信したリンクはたとえ正規のものであると思ってもクリックする際には慎重に判断することが必要です。事前に正規サイトのURLをブックマークしておく、自分で検索してサイトに行くなどの癖をつけましょう。
●パスワードは、推測されにくいものにして、定期的に変更する。
名前や誕生日、電話番号などの推測されやすいものを避け、同じパスワードを使い回ししないことも大切です。
●不正送金された際にすぐに気付けるようにしておく。
通帳記帳をマメにしたり、家計簿アプリの連携機能等を使って口座残高を常に確認するなど、万が一不正送金された場合でもすぐに気付くような仕組みを作っておきましょう。
これからもどんどん新しい手口が出てくることが予想されます。金融機関等が出す注意喚起情報を確認して、お金を守るためには慎重すぎるくらいの対応を心がけましょう。