個人の生活を支えるための支援策
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対応するため、テレワークを実施したり、事業そのものがストップしたりなど個人の生活にも大きな影響が出ています。そのなかで収入が減少した人も少なくないはずです。そこで、政府が支援を決定したのが国民一人当たり一律10万円の現金給付です。2020年度の補正予算ですでに決定され、4月27日時点で住民基本台帳に記載のある人すべてが対象になっています。申請は市区町村から送付されてきた申請書に記載のうえ郵送する方法のほか、マイナンバーカードを所有している場合はオンラインでも申請可能です。
また、それとは別に、令和2年4月分の児童手当を受給している子育て世代に対する支援として、臨時特別給付金の児童1人当たり1万円が上乗せされる予定です。また、高校生や大学生に対しては授業料の減免や保険料の減免なども検討されています。また文部科学省が新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮している学生に最大20万円を支給することになり、学生が申請しやすいLINE公式アカウントの設置が話題となっています。
事業者向けの支援策は!?
事業の継続が困難になる中小事業者に向けたコロナ支援策として、日本公庫や民間金融機関で無利子・無担保で融資を受けられる制度が設けられ、資金繰りに利用することが可能です。また、既往の借り入れに対しても貸し付け条件を変更して無利子・無担保融資に借り換えができるように検討もされています。
前年度に比べて収益に大幅な減少があった中堅および中小・小規模事業者に対しては、持続化給付金として法人には最大200万円、フリーランスなどの個人事業主には最大100万円の給付金が支給されます。雇用を維持するための施策としては、当面の間解雇等を行わなければ助成率を90%に引き上げるなど、雇用調整助成金の拡充も決定されました。また、一定の条件はあるものの、休業要請を受けた場合は休業手当全体の助成率を100%、要請を受けていなくても60%を超えて休業手当を支給するならば、その部分にかかる助成率は100%になります。大企業に対しても当面の間、解雇等を行わなければ助成率が75%に引き上げられます。
日本政策投資銀行または商工組合中央金庫では2020年4月1日から6月30日までの間、緊急対応業務が実施されています。緊急対応期間は教育訓練加算額がアップする、対象となる労働者を拡大、支給限度日数を別カウントにするなどさまざまな方策がとられ、企業の状況に合わせて活用することが可能です。ほかにも所得税や法人税、消費税などの国税、固定資産税などの地方税、社会保険料などに対しても猶予制度が設けられました。また、子どもを養育している労働者を抱える事業者に対しては、正規・非正規を問わずに年次有給休暇とは別に有給休暇を取得させると小学校休業等対応助成金が支給されます。
家賃の支払いに困ったときには?
収入が減っても毎月必要な固定費があり、そのひとつが家賃です。そこで、厚生労働省は失業者などへの住居確保給付金の制度を拡大し、新型コロナウイルス関連で収入が減り、家賃の支払いに影響が出ている人向けの支援策を打ち出しました。内容としては支払いに困っている人への給付ではなく、賃貸物件のオーナーに対して自治体が家賃相当額を原則として3カ月間(最大9カ月)支給するというものです。
新型コロナウイルスを乗り切るために
新型コロナウイルスが世界各地に広がり、これまで当たり前だった生活が成り立たなくなった人や企業も多いでしょう。医療従事者の方々が最前線で戦ってくれているのはもちろん、政府や地方自治体などの公共機関もこの困難な状況を乗り切るためにさまざまな施策を考えてくれています。コロナ対策でお金に困ることがあれば、受けられる支援策を利用しましょう。国からの給付金だけでなく、各地方自治体で独自の給付をおこっているところもあります。是非一度、ご自身がお住まいの地域の自治体ホームページをチェックしてみてくださいね。