資産形成の土台をつくろう
「投資は余裕資金で」という考え方には少々疑問があります。資産形成のひとつの手段が「投資」であり、新NISAなど投資を後押しする制度も整いました。
総務省「家計調査 貯蓄・負債編(2022年)」によると、49歳までの現役世代の実質の資産はマイナスです。さらには、昨今の物価高によって「余裕」の2文字はある意味非現実的です。投資は余裕資金で、といわれても「余裕なんてない!」というのが心情です(実状でもある)。「投資は余裕資金で」ではなく、貯蓄とあわせて計画的かつ積極的に取り入れることが重要なのではないでしょうか。
<年代別貯蓄・負債(二人以上世帯)>
「株式投資をはじめた」「投資信託をはじめた」「FXをはじめた」といったように、投資のはじめ方は人それぞれです。まずははじめる、という意味では興味をもったものからはじめればよいでしょう。そして投資を資産形成の手段として積極的に取り入れていくのであれば、次にすべきことは「資産形成の土台をつくる」ことです。
投資を“たしなむ”のも一興
資産形成の土台づくりはコツコツ資産を積み上げることです。一般的かつ初心者でも取り組みやすい方法は「インデックスファンドのつみたて投資」でしょう。投資をはじめた人の中にはすでにこの方法を実行している人もいるでしょう。投資のタイミングを気にすることなく、淡々と積み立てるように投資を続けて、市場の成長の波に乗りながら資産形成ができるといった、資産形成の土台づくりには適した手法です。
ちなみに、投資に回す資産以外に、当面の生活費や緊急資金の確保、数年後に必要なイベント資金の確保をすることも土台づくりのひとつといえます。
投資をとりあえずはじめたけれど、このような土台づくりができていない人は、次のステップとしてすぐに取り組んでみてください。
土台がしっかりできた人は、次のステップとして積極的に資産を殖やすことを考えてもよいでしょう。投資信託のアクティブファンドや個別株投資で、優秀なファンドや株式を探すのは宝探しのようで楽しいものです。
土台ができてから取り組んでみたい投資の例
また、チャートを駆使したデイトレードやスイングトレード、FXや指数先物取引などは、まずは「お小遣いの範囲」で楽しんでみるのもよいでしょう。
積極的に資産を殖やしてみたり、いろいろな投資を“たしなんでみる”ことに挑戦できるのは土台がしっかりしているからこそです。楽しく投資を続けるためにもまずは土台づくりをしてみてください。