「有事の金」とは?
「有事の金」という言葉をご存知でしょうか?
有価証券である株式や債券は、あくまでも財産的な価値のある権利を表すもので、実物のモノではありません。現物の裏付けがないと、戦争や災害など世界情勢が悪化した場合には価値がなくなることもあり、その場合には価格の下落が大きくなります。
一方、実物資産である金は、一定の価値を保つことができます。
世界情勢が悪化した場合にも、現物の裏付けがない株式などとは違い、価格が下がらない、もしくは上昇することがよくあります。このようなことから金は、「有事の金」とも呼ばれているのです。
投資の基本と言われる分散投資の原則は、値動きが異なる資産に投資をすることです。代表的な株式や債券などへの分散だけではなく、それらとは値動きが異なる実物資産である金への投資も分散投資としては効果的でしょう。実物資産である金を保有することによってインフレ対策としての効果も期待できます。
どの方法がよいか?
金に投資をする方法として代表的なものをいくつかご紹介します。
金そのものを購入する「現物購入」、「純金積立」のほかに「投資信託」…具体的には、一般的な投資信託・上場投資信託(ETF)に投資する方法などがあります。
《代表的な金投資の特徴》
現物購入は、金地金や金の延べ棒、金貨や装飾品といった金そのものを購入します。資産が手元にあるという満足感はありますが、一方で盗難のリスクがあります。
純金積立は、毎月一定額で金を継続購入していく仕組みで、ある程度まとまったら装飾品に加工してもらうこともできます。
金ETFは国内上場と海外(おもにNY証券取引所)上場とがあり、国内金ETFの代表的なものは、純金上場信託(1540、愛称:金の果実)です。
国内に保管される金の現物を裏付けとしていますので、現物に投資するのとかなり近い形の投資信託になりますし、auカブコム証券では、手数料を支払えば貴金属現物への転換も可能です。
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海外ETF(USD建て・NYSE上場)でよく売買されている銘柄はSPDRゴールドシェア(GLD)で、こちらも金現物を保有する形の金現物拠出型上場投信となっています。
その他、一般の投資信託として、上記のETFの連動を目指す投資信託や、金鉱株を組み入れた投資信託などもありますし、為替の影響を受けないような「為替ヘッジあり」を選択できるものもあります。
金には、株式の配当金や、債券の金利のようなインカムゲインがありませんので、値動きがポイントになります。
しかし株式などのリスク資産の下落を見越し、保有資産全体の減額をカバーするために分散投資先として金を保有するのであれば、金価格の上下で一喜一憂せず、資金が必要になったときにプラスになっていれば売却するという考え方をすれば良いのではないでしょうか。
ぜひ、いろいろな形で金投資を楽しんでみてください。
※ご紹介した銘柄は金投資銘柄の一部であり、また投資を推奨するものではありません。