「かい離率」で何が分かるの?
株式投資において「高値掴み」や「安値売り」はしたくないと誰もが思うものですが、結果として「高値掴み」や「安値売り」になってしまったということもありますね。
そのような状況を回避するために知っておきたい「かい離率」についてご説明します。
「かい離率」とは、株価が移動平均線からどれくらい離れているかを数値化したものです。
「かい離率」を知ることでその株が買われ過ぎている状態なのか、売られ過ぎている状態なのかを知ることができます。
株価が移動平均線から大きくかい離するということは、短期間のうちに大きな株価変動が生じたことを示しています。しかし、いつまでもその状況が続くわけではなく、徐々に大きなかい離は解消され、株価は移動平均線に再び近づいていきます。
つまり、買われ過ぎている状態であれば徐々に株価は下落傾向に転換する可能性があり、売られ過ぎている状態であれば徐々に株価は上昇傾向に転換する可能性があるということです。「かい離率」を知ることで、売買のタイミングを知ることもできます。
「かい離率」の計算方法と具体例
「かい離率」は以下の計算式で計算します。
【チャートで、かい離を確認】
例:マルハニチロ(1333)2023年12月7日時点の6か月チャート
チャートの例を見ると、緑の矢印で示した時期に株価と移動平均線が大きくかい離しています。先ほどの計算式にあてはめると11月には10%超の「かい離率」となっていることがわかります。その後、下落傾向にはなっていますが、かい離は解消されておらず買われ過ぎの状態が継続しています。やがて移動平均線に接近してくる時期が来ると考えられるため、高値掴みを回避するためには、今後の株価が移動平均線に近づいてきたときが買いのタイミングといえるかもしれません。
実際、9月頃に買われ過ぎによるかい離が生じた後、1か月ほどで移動平均線に接近し、売られ過ぎによる小さなかい離を経て、徐々に株価が上昇している様子が分かります。
売買のタイミングとなる「かい離率」の目安は、移動平均線の日数や銘柄による特性もあるため、一概に言えませんが、例えば「5%のかい離が生じたときにはチャートの動きに注目し、移動平均線に接近したタイミングで売買を行う」などのマイルールを作っておくのも一案です。
「かい離率」による売買のタイミングの見極めは、初心者にも分かりやすいので、ぜひ関心のある銘柄でかい離が生じていないかをチェックしてみてください。