FOMC、FRBとは?
最近、経済ニュースのみならず一般のニュースでも耳にするようになったFOMCやFRBとはそもそも何なのでしょうか?
FOMCとは連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略で、日本でいうところの「日銀金融政策決定会合」にあたり、米国の金融政策を決定する重要な会合です。
FOMCは年に8回開かれ、そのスケジュールはFRBのHPで公開されています。市場の急変時には臨時会議が開かれることもあります。
一方、FRBは連邦準備理事会(Federal Reserve Board)の略で、米国の中央銀行の制度であり、日本の日本銀行にあたります。FRBが定期的に(年8回)開催する会合がFOMCということです。
FOMCで決められた内容については全世界が重要視しています。
FRBは7人の理事で構成され、FOMCでは、そこに5名の米連邦銀行総裁が加わり、このメンバーが米国の金融政策を決めることになります。
ですから、議長であるパウエル氏の発言はもちろんのこと、メンバーである他の理事や連銀総裁が講演や対談などで話す内容にも注目が集まります。
<2022年のFOMCのスケジュールとメンバー>
株価への影響について
では、このFRBやFOMCは具体的にどのように市場に影響を与えているのでしょうか。
FOMCでは米国の政策金利であるFFレートの誘導目標が決定されます。
2022年は、金融引き締めのために年初からFFレートを段階的に引き上げています。
<2022年FFレートの推移>
消費者にとっては、FFレートの上昇によりローン金利が上がり、車や家などが購入しにくくなるため、国としてはこの金融政策により景気の過熱を抑える、急激なインフレを抑えるといった効果があります。
一方、企業にとっては、借入をする際の金利が上がり、利払いが増えることにより企業業績の悪化が懸念され、株式市場にとっては悪材料になります。
そのため、FOMCは市場との対話をしながら影響を最小限に留めつつ、インフレを抑制するための金融政策を行うという難しい舵取りを行っているのです。
また、日本においては、米国の金利が上がると日本の金利との差が広がり、日本円よりも米ドルのほうが魅力的ということになります。
そうすると円が売られてドルが買われる、つまり円安ドル高になります。為替は日本の株式市場にも大きな影響を与えることは言うまでもないでしょう。
このように、FOMCの決定内容、FRBの議長や理事・連銀総裁の発言などが市場に与える影響は大きいため、特にFOMCの会合前後は市場の動きにも注意してください。