退職後6ヶ月以内に手続きをしないと資金が自動移換される!
企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入をしている人は、転職や退職をした時には、資産を移換するなどの手続きを自分で行う必要があります。手続きをせずに一定期間そのままにしてしまうと、年金の資産は、国民年金基金連合会に自動的に移換されます。この「自動移換」された人が、2022年1月時点で100万人以上いるとのこと。(iDeCo公式サイト 「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況 より」)
中には、資産がない状態の人や運用をする必要がないなど、意図的に自動移換を選択している人もいるかもしれません。しかし、手続き忘れ等で移換されてしまったという人もいるのではないでしょうか。
「自動移換」は、転職や退職をして、企業型DCの加入者資格を喪失した翌月から6ヶ月以内に手続きをしなかった場合におこなわれます。「自動移換」されると下記のようなデメリットがあります。
・現金の状態で管理され、運用の指図ができない。
・管理手数料が年金資産から毎月引かれるなど、下記のような手数料がかかる。
・自動移換中は、老齢給付金を受け取るための加入者期間に算入されないため、受給開始の時期が遅くなる可能性がある。
・60歳以降に老齢給付金を受け取る場合、個人型確定拠出年金へ一度移換する必要がある。
<自動移管に関する手数料>
転職先や退職後の状況で手続き先は変わる
「自動移換」されないためには、退職後の状況に合わせて、いずれかの手続きをおこなう必要があります。
・転職先企業の企業型DCへ資産を移換する
・iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者となる
・iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用指図者となる
この場合、移換した年金資産の運用のみをおこない、掛金の拠出はおこなわない。
・脱退一時金を受け取る
転職先が決まっている場合は、転職先に企業型DCの制度があるのか、加入することができるのかを確認しましょう。加入することができる人は、転職先で移換の手続きをします。
下記の場合は、iDeCoの加入者となり掛金を拠出するか、運用指図者となります。自ら金融機関を選び、選択した金融機関で資産移換など各種手続きをおこないます。
・転職先に企業型DC制度がない、または加入できない
・転職して公務員になる
・退職して、自営業など国民年金の第1号被保険者になる
・退職して、専業主婦等の第3号被保険者になる
国民年金保険料の免除を受けているなどiDeCoに加入できない人は、運用指図者となりますが、脱退のための要件を全て満たす場合は、脱退一時金を受け取ることもできます。
転職、退職時は、何かとバタバタすることもあり、後から手続きをしようと思っているうちにあっという間に半年くらいは経ってしまいます。自動移換されると、運用の機会を失うだけではなく、下記の表のように、追加の手数料もかかってしまいます。そのため、気付いたら自動移換されていたとならないように、早めに手続きをおこないましょう。
<期限内に手続きをした場合と自動移換されてから手続きをした場合の手数料比較>