投資信託の償還日、繰上償還って何? 気を付けるポイントは? 投資信託の償還日、繰上償還って何? 気を付けるポイントは?

投資信託の償還日、繰上償還って何? 気を付けるポイントは?

償還日とは? 繰上償還とは?

投資信託の償還日とは、運用期間の終了日のことを指し、目論見書などで確認することができます。
償還日は、運用会社が販売前に設定し、運用開始から5年後や10年後を償還日に設定している商品もあれば、償還日を設定していない無期限の商品もあります。
一般的にテーマ型の投資信託には償還日が設定されていて、インデックス型の投資信託は無期限となっている場合が多くなっています。
これは、テーマ型の投資信託がその時々に注目されている産業や国、地域などに集中して投資するため、短期的な運用となる可能性があるのに対して、指数に連動するインデックス型の投資信託はトレンドに左右されず、長期的に運用される傾向があるからです。

しかし、あらかじめ償還日が決まっていたとしても、必ずその日に運用が終了するわけではありません。
運用会社の判断で運用期間が延長される場合もあります。

また、償還日の有無に関わらず、目論見書に記載されている条件により償還されることを繰上償還といいます。
条件に該当すれば、あらかじめ償還日が設定されていた場合でも、償還日を待たずに償還されます。

繰上償還の条件は、具体的な口数、基準価額や「やむを得ない事情が発生したとき」といったような表現も多く、実際は運用会社の判断で繰上償還されます。
基準価額が小さくなりすぎた、運用資金が少なくなってしまったなどの場合に行われるようです。

繰上償還のデメリットは?

償還が決まると、運用されていた資産は清算され、投資していたお金が「償還金」という形で手元に戻ってきます。

長期投資を目的に投資信託を保有している場合、運用期間の途中で繰上償還されることで一時的に運用がストップしてしまい、運用効率が悪くなってしまいます。

このため、長期投資を目的とする場合は、繰上償還されることなく、なるべく長く運用が続く投資信託を選ぶのがよいでしょう。

繰上償還の明確な基準となる基準価額や純資産総額はありませんが、繰上償還を避けたいなら、目安として基準価額が3,000円未満、純資産総額が50億円未満のものは避けるとよいかもしれません。

auカブコム証券の場合、目論見書を確認しなくても、投資信託の「ファンド情報」のページ上部に基準価額、純資産の金額が掲載されているので、簡単に確認することができます。

<ファンド情報の表示例>

長く資産運用を続けることを前提に投資信託を選ぶ時は、投資対象やコスト以外にも、償還日の有無や純資産の金額、基準価額に目を向けてみましょう。
そして保有後も半年か一年に一回程度、基準価額や純資産額などを確認してみましょう。

中野敦成

執筆者:中野敦成

FP事務所LBプランニング 代表
大阪府堺市生まれ。理系大学卒業後、自動車会社などで設計支援業務に携わる。
1998年の株式売買手数料の自由化やネット証券の誕生をきっかけに株式投資を開始。株の売買のための情報種数をしている中でファイナンシャルプランナー資格に出会う。
投資の知識のためにとファイナンシャルプランナー資格を取得した際に、「お金のことを知っていると知らないでは世界がこんなに変わるのか!」と感銘を受け、資格取得後、FP事務所LBプランニングを開設。
現在は大阪市内の事務所で個人向けのFP相談業務を中心に資産運用や保険、ライフプランに関する執筆・セミナーなどを行っている。

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