バリュー投資とグロース投資は投資スタイルが異なる
投資信託のカテゴリーでもよく見かける「バリュー」と「グロース」。
投資スタイルを分類する一つの方法です。
バリュー投資は、企業の実態に比べて、株価が割安な銘柄に投資する方法です。
一般的には、PER(株価収益率、「株価÷1株あたりの利益」で算出)やPBR(株価純資産倍率、「株価÷1株あたりの純資産」で算出)という指標を用いて判断します。
これらの指標が低いものが、割安であると考えられます。
投資の神様と呼ばれるアメリカの投資家、ウォーレン・バフェット氏の主な運用手法はバリュー投資と言われており、1965年から2020年まで、20%複利での運用を実現させています。(※)
※バークシャ・ハサウェイ社 「2020年アニュアルレポート」より
グロース投資は、企業の売上高や利益が伸びている企業に投資する方法です。
成長性や将来性に対する評価が高いことから、PERやPBRは市場平均よりも高い傾向にあります。
例えば、北米のグロース銘柄に投資するいくつかの投資信託を見てみると、フェイスブック社、アマゾン社、テスラ社など成長著しいことでお馴染みの会社が投資先として組み入れられています。
<バリュー投資とグロース投資>
バリュー投資とグロース投資はどう使い分ける?
では、バリュー投資とグロース投資はどのように使い分ければいいでしょうか?
バリュー投資は、企業価値に比べて割安株なので、注目された場合には株価が上昇しリターンを得られる楽しみがあります。
また、株価が割安なため、配当利回りが高くなる傾向にあり、株価がさほど上がらずとも、インカムゲインを期待することはできます。
2021年7月27日終値で東証上場全銘柄を調査したところ、PBR1倍割れ銘柄とPBR1倍以上銘柄では配当利回りに以下のような差異がありました。
- ・PBR1倍割れ銘柄の平均配当利回り:2.53%
- ・PBR1倍以上銘柄の平均配当利回り:1.27%
一方のグロース投資は、うまく成長企業を見出すことができれば、株価が数倍になることもあり、大きなキャピタルゲインを得られる可能性があるのが、一番の魅力でしょう。
グロース投資をするには、PERやPBRのような株式指標よりも、今後の成長性を見極めることが必要です。
企業分析をして自分なりに投資したい企業を見つけたいという人にも向いているでしょう。
バリュー投資とグロース投資は、このように異なる投資スタイルです。
分散投資の一つとして、どちらのスタイルも取り入れてみてはいかがでしょうか?
それぞれの銘柄探しが大変そうであれば、投資信託を利用するのもおすすめです。