グローバル企業を発見する海外売上高比率とは?
株式投資をする際に注目したい項目はいくつかありますが、「海外売上高比率」を見たことはありますか?
海外売上高比率は、売上高のうち海外での売り上げの割合で、会社四季報の【海外】の項目に記載されています。
例えば、「トヨタ自動車(7203)」の場合は、【海外】76(2020.3)と記載されており、2020年3月時点でのトヨタ自動車全体の売上高のうち、76%が海外での売上高という意味になります。
海外売上高比率が高いということは、日本市場だけではなく、海外市場の成長を取り込んでいけるという大きなメリットがあります。
また、為替の影響を受けるため、円安の場合は利益を拡大しやすくもあります。
その反面、円高の時には利益が縮小しやすく、また、海外での政情変化や自然災害、事件などの出来事に売り上げが左右されやすい点がデメリットとなります。
海外売上高比率が高い会社の注意点
海外売上高比率が高い企業に投資する場合は、海外のどこの地域での売上構成が高いのかを「地域別売上構成比率」を見て確認しておくことが大切です。
地域が集中しているほど、その地域の政情変化などの影響を受けやすいためです。
下記の表は、ミニショベル主体の建機中堅「竹内製作所(6432)」とPC向けオンラインゲーム先駆の「ネクソン(3659)」の地域別売上構成比率の表です。
いずれも海外売上高比率が高い企業ですが、見比べてみると、どの国や地域の影響を受けやすいのかがよく分かります。
<地域別売上構成比率>
また、為替の影響を確認するためにも想定為替レートを確認しておきましょう。
<例: 「竹内製作所(6432)」 2022/2想定レート>
米ドル:107円 英ポンド:148円 ユーロ:127円 人民元16.4円
(2021年2月期決算発表参考資料より)
上記のような情報は、決算短信や決算説明資料等に記載があり、企業のIRページに掲載されています。
投資をする前には目を通しておきましょう。
株式投資をする上での一つの視点として、海外売上高比率について確認をしてきました。
市場規模や今後の成長性を考えた時に、日本だけではなく、外国株式への投資を検討する人もいるかもしれません。
それも一つの考え方ではありますが、海外で頑張っている日本の会社を応援するという意味も込めて、海外売上高比率が高い会社を見つけてみてはいかがでしょうか。
見つける楽しさ、買う楽しさも投資戦略と言えそうですね。