新興国の富裕層・中間層の増加に伴い需要伸びるブランド企業
米国市場には、多彩なブランドを有する企業が多く存在します。特に高級ブランドは、その認知度とステータスにより世界の消費者から憧れを持たれています。
ブランド品は総じて高額なため富裕層の支持を受けますが、好景気の時期には中間層の購入意欲も高まるため、高級ブランドの販売はさらに促進されます。
2023年11月の世界高級品市場レポートによると、2022年比で8~10%成長し、社会的交流や旅行の復活が原動力となり、力強い回復力を示すと記されています。
さらに近年、消費者は「少数のより良いもの」を求める傾向があることから、高い消費力を持つ富裕層に留まらず需要が期待できます。
また、成長が著しい新興国における富裕層と中間層の増加も、高級ブランドへの需要を拡大させています。2030年までの見通しとしては、浮き沈みはあるものの市場経済の基盤は堅調を維持し、市場成長の加速が期待されています。
そのような中、企業にはそのブランド価値を維持するための商品戦略が求められます。消費者の期待にどう応えていくか企業努力に注目です。
使用感でブランド力をチェック
世界の消費者から人気が高く肌身につけて利用する衣料や化粧品であれば、ユーザーとして商品の品質を確認できるため、使用感と満足度を照らし合わせた企業の評価がしやすいのではないでしょうか。
化粧品や繊維製品の銘柄を中心に選定してみました。
エスティ・ローダー・カンパニーズ(EL)
米国・欧州・アジア等150ヵ国以上において、スキンケア用品・化粧品・香水等の開発・製造・販売を行う。「エスティ ローダー」、「アラミス」、「クリニーク」、「オリジンズ」、「MAC」、「ボビー・ブラウン」、「ラ・メール」、「アヴェダ」などのブランドだけでなく、他のデザイナーブランド商品のライセンス契約を締結し、販売を行う。連続配当。
タペストリー(TPR)
米国内外で、Coach、Kate Spadeを含む、機能とデザインが充実した最上位モデルのアクセサリー・アパレル・ライフスタイルブランドを展開する。バッグ・財布・カードケースのような革製品のほか、フットウェア・衣服・フレグランス・サングラスなどの商品を各ブランドの店舗・オンラインで販売する。
ラルフ・ローレン(RL)
アパレル・シューズ・アクセサリーをはじめとする様々なブランドを展開する。幅広い製品をデザインし、北米、欧州、アジア、その他の地域で販売する。連続配当実施。2024年第3四半期の純利益は前年同期比27.76%増の高成長。
ピー・ヴィー・エッチ(PVH)
TOMMY HILFIGERやCalvin Kleinをはじめとする多くのブランドを所有・管理する。様々な価格帯で、複数の流通チャネルによりグローバルに販売し、幅広い属性を対象に製品を提供する。サステナビリティと循環型社会への取り組みや戦略を強化する。2023年第4四半期の純利益は前年同期比95.96%増の高成長。
<世界で稼ぐカジュアル&高級ブランド>