米国配当貴族指数とS&P500:安定成熟業種の魅力と組入れ比率 米国配当貴族指数とS&P500:安定成熟業種の魅力と組入れ比率

米国配当貴族指数とS&P500:安定成熟業種の魅力と組入れ比率

米国配当貴族指数とは? その特徴は?

指数とは債券や株式の市場の動向を表すもので、さまざまな種類があります。
「米国配当貴族指数」は米国の株価の動向をみることができる株式指数の1つです。

米国配当貴族指数に含まれる銘柄は、S&P500に含まれる企業のうち、25年以上連続して配当を増やしている企業で、時価総額が30億ドル以上、取引高が一定レベル以上といった条件に当てはまる企業で構成されています。

企業が25年以上連続で配当を増やすためには、景気に左右されにくい安定したビジネスモデルを持っていることや、配当を株主に渡すための現金を保有している必要があります。

どのような業種が組み入れられているか見てみましょう。

下の表はS&P500と米国配当貴族指数に連動するインデックスファンドの業種別組入れ比率です。

<S&P500と米国配当貴族指数に連動するインデックスファンドの業種別組入れ比率の比較>
(2023年3月31日現在)

S&P500と米国配当貴族指数に連動するインデックスファンドの業種別組入れ比率の比較

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がソフトウェアやテクノロジ、金融サービスなどが上位に組み入れられているのに対し、「米国株式配当貴族」は生活用品や生活必需品流通・小売り、食品など、景気の善し悪しに関係なく日々必要なモノやサービスを提供している業種が多く組み入れられていることがわかります。

食品や生活用品などの業種は急成長を望むことは難しいですが、比較的着実に、景気に左右されず安定した業績が期待できる業種です。
これらの業種の組入れ比率が高いため、米国配当貴族指数は相場の不安定性が増したときや下落相場であるときに比較的強い傾向にあります。

こんな考えの人に米国配当貴族指数はオススメ

日本国内でも米国配当貴族指数に連動することを目標とする投資信託が販売されています。
つみたてNISAの対象の投資信託としては、前出の野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)などがあります。
また、組入れ上位銘柄を銘柄選定の参考にする方法もあります。

<米国配当貴族指数組入れ上位銘柄>

ティッカー銘柄名カナ業種*
WSTウエストファーマシューティカルHealth Care
GWWWWグレインジャーIndustrials
CLXザクロロックスConsumer Staples
CHDチャーチアンドドワイトConsumer Staples
PNRペンテアIndustrials
MDTメドトロニックHealth Care
AOSエイオースミスIndustrials
LINリンデMaterials
PEPペプシコConsumer Staples
MKCマコーミックアンドカンパニーConsumer Staples

*GICS®セクターによる分類
Apr 28, 2023 時点
出所:S&P 500配当貴族指数 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス (spglobal.com)

下落相場に比較的強いという特性を活かして、次のように考える人は、米国配当貴族指数に連動する投資信託や指数採用銘柄への投資を検討してもいいでしょう。

  • 投資信託を使って米国の株式に投資したいが、景気後退期などでもなるべく大きな下落は避けたい
  • ITなどの成長株ではなく、成熟して安定した経営が期待できる企業を中心に投資したい
  • 株価の上昇より安定した配当を得ることができる銘柄に投資したい

同じ国の株式指数であっても、S&P500と米国配当貴族指数のように、組入れ条件が異なることで、リスク・リターンの大きさや値動きの特性などが異なります。
投資の目的やリスク許容度に合わせて参考とする指数を変えてみましょう。

中野敦成

中野敦成

FP事務所LBプランニング 代表
大阪府堺市生まれ。理系大学卒業後、自動車会社などで設計支援業務に携わる。
1998年の株式売買手数料の自由化やネット証券の誕生をきっかけに株式投資を開始。株の売買のための情報種数をしている中でファイナンシャルプランナー資格に出会う。
投資の知識のためにとファイナンシャルプランナー資格を取得した際に、「お金のことを知っていると知らないでは世界がこんなに変わるのか!」と感銘を受け、資格取得後、FP事務所LBプランニングを開設。
現在は大阪市内の事務所で個人向けのFP相談業務を中心に資産運用や保険、ライフプランに関する執筆・セミナーなどを行っている。

FP事務所LBプランニング

最短10分で申込み完了!
無料口座開設はこちら

ページの先頭へ戻る