VIX指数(恐怖指数)とは
相場全体が大幅な下落傾向にあると、これ以上は下がらないうちに売ってしまったほうがいいのではないかと焦ってしまう方もいるでしょう。
そんな投資家の心理状態を反映した指数が「VIX指数(恐怖指数)」です。
「VIX(ヴィックス)指数」とはVolatility Index(ボラティリティ・インデックス)のことです。
ボラティリティとは、株価や通貨の値動きの変動率のことです。
VIX指数はS&P500を対象とするオプション取引のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)から算出されます。
この数値が高いほど投資家が今後S&P500の変動が大きくなることを予想している状態といえます。
また、市場に対する不安や恐怖が増大するとVIX指数が大きく上昇する傾向にあることから「恐怖指数」とも呼ばれています。
VIX指数は、米国株価指数S&P500を元にしてシカゴ・ボード・オプション取引所(CBOE)が算出・発表しているものです。
あくまでも米国の指数ですが、世界の株式市場において、米国の時価総額にシェアは圧倒的に大きいため、日本における株式投資でも無視できない数値といえます。
なお、日本にも国内株式市場をもとにした「恐怖指数」として、日経平均VIがあります。
日経平均VIは、大阪取引所に上場している日経平均先物および日経平均オプションの価格を基に算出されるものですが、米国の「恐怖指数」と日本の「恐怖指数」を確認してみると連動している場合もあります。
<日経平均VIのサンプル>
縦軸の数字が、日経平均VI(日本版恐怖指数)です。
2022年10月頃、やや高めになっていることがわかります。
同時期の日経平均株価を見ると、大幅な下落傾向にありました。
コロナ禍、エリザベス女王の逝去、日本の国葬問題などによって、不安を感じた投資家が売りに傾いている状況を示していると捉えられます。
VIX指数(恐怖指数)をどう活用するか
一般的に、VIX指数の上昇は、投資家の強い警戒感や不安感を示しており、株式市場の温度計ともいわれています。
このVIX指数の投資における活用方法をご説明します。
VIX指数は市場が落ち着いている平時であれば10~20%の間で上下する傾向にあります。
VIX指数が急上昇し30%を超える状態は、投資家の不安心理により市場が不安定化している状態といえます。
40%を超えてくるといよいよ市場はパニックとなっているかもしれません。
このような状態では株価も大きく下落している可能性があります。
しかし、業績等に関連なく本来の価値より大きく下落しているのであれば、その後、株価水準は回復することが予想されます。
まずは企業の業績等を確認し、「投資家の不安心理による下落なのか」もしくは「業績不振による下落なのか」を冷静に分析することが大切です。
業績に問題がなく、投資家の不安心理による下落であれば、徐々に株価水準が回復することが見込まれるため、割安に追加投資ができるタイミングでもあるといえます。
市場の大幅な下落傾向に慌てて反応し、売却して後悔することを回避するためにも、「恐怖指数」に目を向けて冷静な投資家への一歩を踏み出してみませんか?