権利確定日に株主でないと、株主優待は受けられない
株式投資の魅力の一つに株主優待制度があります。株主優待の内容は、銘柄によってさまざまです。ここでは、株主優待を受けるための3つのチェックポイントをご紹介いたします。
なお、株主優待に関する情報は、各銘柄のWebサイトにあるIR情報(投資家情報)や会社四季報の株主優待情報に記載されています。銘柄によっては、過去や次回の株主優待の内容をWebで紹介しているものもありますので、チェックしてみてください。
また、auカブコム証券の銘柄検索では、「株主優待」から「権利月」「優待内容」などの検索が可能です。
株主優待を検索する(ログインが必要です)
1つ目のチェックポイントは株式の「権利付最終日」、つまり株式の買付日です。株主優待を受けるためには、権利付最終日までに株式を買付しておく必要があります。
権利付最終日とは、月末が権利日の銘柄の場合その月の最終日(土日祝日を除く)が権利確定日(株主名簿に記録される日)となり、権利確定日の2営業日前(土日祝日を除く)のことを言います。
権利確定日は権利確定月の月末営業日としている銘柄がほとんどですが、例えばドラッグストアの『クスリのアオキホールディングス(3549)』は5月20日が権利確定日、『ツルハホールディングス(3391)』は5月15日が権利確定日であるように、月末以外の20日や15日に設定している銘柄もあるので注意が必要です。
また、『ニトリホールディングス(9843)』は2022年までは2月20日が権利確定日でしたが、2023年から3月末が権利確定日に変更になりました。このように優待内容や条件等が予告なく変更になる場合もあるので、最新情報は企業ホームページで確認するのが確実です。
<3月31日(月)が権利確定日の場合>
保有株数や継続保有など、株主優待を受けるための条件がある
2つ目のチェックポイントは、保有する株数条件です。株主優待を受けるために必要な株数は1単元(東証上場銘柄の場合100株)とは限りません。例えば『日清製粉ホールディングス(2002)』の場合は、500株以上の保有を条件にしています。
一方、株主であれば、保有株数が単元未満であっても、株主優待が受けられるものもあります。例えば『オリックス(8591)』の場合、100株以上の保有している株主を対象にした「カタログギフト」がありますが、さらに、保有株数に関係なく全ての株主を対象にした、オリックスグループ等で割引が受けられる株主カードがあります。(株主カードは2024年3月の株主贈呈をもって廃止予定)
銘柄によっては、保有している株数が多い場合、それに合わせて株主優待に特典を付けているものもあります。
3つ目のチェックポイントは、継続保有条件です。銘柄によっては、一定期間、継続保有している場合にのみ、株主優待が受けられるものがあります。継続保有とは、図にあるように株式を取得後、1回目の権利確定日から2回目の権利確定日までの間に売却等をしないで、保有し続けることです。
<2回以上の継続保有が必要なケース>
例えば『カゴメ(2811)』の場合、保有後1回目の権利確定日と2回目の権利確定日において、同じ株主番号であることで継続保有を確認し、株主優待が受けられる条件としています。下記画像の備考欄に継続保有条件の記載が載っています。
ここで気を付けなければならないのは「貸株」です。貸株をしている場合、貸株中は名義が変わりますので、仮に1回目の権利確定日の翌日から、2回目の権利確定日の前日まで貸株をしていた場合、それぞれの権利確定日に株式を保有していても、継続保有とみなされない場合があります。継続保有を条件にしている銘柄を貸株する場合は、注意が必要です。
参考までに、代用有価証券にしている場合は、名義は変わらないので、継続保有状態のままになります。
株主優待制度は、全ての銘柄に導入されているとは限りません。しかし、自社製品を持たない意外な銘柄にも導入されていることがありますので、気になる銘柄がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
注釈:個別銘柄の株主優待情報は、2022年8月現在のものです。将来、改正される場合があります。