投資の判断を狂わせる? 確証バイアスの罠 投資の判断を狂わせる? 確証バイアスの罠

投資の判断を狂わせる? 確証バイアスの罠

インターネットやSNSの普及により、投資に関するさまざまな情報を簡単に入手できるようになりました。このような中で私たちが陥りやすい心理的な罠のひとつに「確証バイアス」があります。

「確証バイアス」とは、自分がすでに持っている考えを肯定する、自分にとって都合がよい情報ばかりを無意識に集めてしまう傾向をいいます。

典型的な事例が血液型占いです。A型の人と聞くとあらゆる行動の中でも、几帳面なイメージにあう行動のみが目につきやすくなります。その結果、A型だからやっぱり几帳面だというように先入観を裏付ける結論に無意識のうちにたどり着いてしまうのです。

投資の情報を集める際も、この確証バイアスにより偏った情報ばかりを集めてしまい、合理的な判断ができていないようなケースが見受けられます。例えば、下記のようなケースです。

<投資をおこなう際に起こる確証バイアスの事例>
投資をおこなう際に起こる確証バイアスの事例

※上の画像(図表)は筆者が作成

確証バイアスは、誰にでも日常的に起こりうる心理状態です。しかし、投資をする上では大きな判断ミスへと繋がりかねません。

では、確証バイアスにとらわれないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?

意識をしたいのは、「クリティカルシンキング(批判的思考)」です。
「その考えは、本当に正しいのか?」という視点を持って意識的に物事をみることで、結論や判断の精度を高めていく思考法です。自分が導き出した結論や判断を疑いながら、それに相対する意見や情報をあえて集めることで、情報に対する偏りをなくしていきます。

<クリティカルシンキングによる情報収集>
クリティカルシンキングによる情報収集

※上の画像(図表)は筆者が作成

また、情報を集める際には、統計データや確率などの数字的な根拠や情報の出所についても意識することで情報の精度を上げていくことも大切です。

とはいえ、自分では幅広い情報を集めていると思い込んでいて、この無意識な情報の偏りにはなかなか気付くことができないものです。そこで、自分とは利害関係がない客観的な第三者の意見を聞くことも一つの策です。自分にとって都合が悪い内容でも率直に意見をしてくれる人であればなおよいでしょう。

そして、何よりも大切なのは、情報を集める時には「確証バイアス」という心理的な罠に陥りやすいということを知っておくことです。投資の判断をする時には意識をしてみましょう。

秋山友美

秋山友美


湘南・藤沢・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
家計相談、住宅購入相談、教育資金プランニング、退職後の人生設計、資産形成、保険見直しなど地域密着型の情報提供、アドバイスをしている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。また、地域情報誌にて「家計簿コーチング」連載中。

<保有資格>
CFP®(日本FP協会認定)(財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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