自分にとって都合がよい情報ばかりを集めていませんか?
インターネットやSNSの普及により、投資に関するさまざまな情報を簡単に入手できるようになりました。このような中で私たちが陥りやすい心理的な罠のひとつに「確証バイアス」があります。
「確証バイアス」とは、自分がすでに持っている考えを肯定する、自分にとって都合がよい情報ばかりを無意識に集めてしまう傾向をいいます。
典型的な事例が血液型占いです。A型の人と聞くとあらゆる行動の中でも、几帳面なイメージにあう行動のみが目につきやすくなります。その結果、A型だからやっぱり几帳面だというように先入観を裏付ける結論に無意識のうちにたどり着いてしまうのです。
投資の情報を集める際も、この確証バイアスにより偏った情報ばかりを集めてしまい、合理的な判断ができていないようなケースが見受けられます。例えば、下記のようなケースです。
確証バイアスは、誰にでも日常的に起こりうる心理状態です。しかし、投資をする上では大きな判断ミスへと繋がりかねません。
確証バイアスにとらわれないためには
では、確証バイアスにとらわれないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?
意識をしたいのは、「クリティカルシンキング(批判的思考)」です。
「その考えは、本当に正しいのか?」という視点を持って意識的に物事をみることで、結論や判断の精度を高めていく思考法です。自分が導き出した結論や判断を疑いながら、それに相対する意見や情報をあえて集めることで、情報に対する偏りをなくしていきます。
また、情報を集める際には、統計データや確率などの数字的な根拠や情報の出所についても意識することで情報の精度を上げていくことも大切です。
とはいえ、自分では幅広い情報を集めていると思い込んでいて、この無意識な情報の偏りにはなかなか気付くことができないものです。そこで、自分とは利害関係がない客観的な第三者の意見を聞くことも一つの策です。自分にとって都合が悪い内容でも率直に意見をしてくれる人であればなおよいでしょう。
そして、何よりも大切なのは、情報を集める時には「確証バイアス」という心理的な罠に陥りやすいということを知っておくことです。投資の判断をする時には意識をしてみましょう。