信用取引とは?
信用取引とは、証券会社に一定の担保を預けることによって、自分の資金・資産を上回る株式取引をするものです。
通常の現物取引のみを行っている人にとっては、無関係のことのように思えますが、実は、この信用取引が株価の形成に大きな影響を与えています。
信用取引には「買い」と「売り」があります。
「信用買い」は、証券会社から資金を借り受けて、これから株価が上がると予想する株式を購入し、期限までにその株式を売却する取引です。
「信用売り」は、自分は持っていない株式で、これから株価が下がると予想する場合に、証券会社から株券を借り受けて売却し、期限までにその株式を買い戻す取引です。
気を付けなければならないのは、信用取引の場合、株価が自分の予想通りに動かなくても返済期限(※1)までに取引を終えなくてはならないことです。
大きな損をすることもあり、初心者には難しい取引と言えます。そのため、信用取引は行わないと決めている人もいるでしょう。
※1 auカブコム証券の信用取引における返済期限は以下となります。
制度信用:新規建玉の建日の6ヶ月目応当日の前営業日
一般信用(長期):新規建玉の建日の10年目応当日の前営業日
一般信用(デイトレ):当日
しかし、信用取引は株価に影響するので、たとえ信用取引を行わない場合でも信用取引情報の欄をチェックしておくとよいでしょう。
信用残をチェックしよう
信用取引情報は、取引証券会社のHPでログインすれば、株価情報欄に記載されています。
<信用取引情報の例>
「信用売り残」は、期限までに買い戻さなければならない「信用売り」の株式の累計で、「買い残」は、期限までに売却しなければならない「信用買い」の株式の累計です。
また、信用倍率は、「信用買い残」÷「信用売り残」で表され、一般的に倍率が高いと、「信用買い残」のほうが多い=将来的に株式を売却しなければならない需要が多いわけですから、株価は上昇しづらい傾向にあります。
この信用取引情報と株価を照らし合わせて、株価の先行きを予測していくことになります。
信用取引情報①を見てみましょう。この会社の株価は、直近、上昇しているのですが、信用取引情報を見ると、信用倍率9.67倍と、信用売り残に対して信用買い残がかなり多く、今後株価上昇の重荷になるかもしれません。
信用取引情報②を見てみましょう。この会社の株価は、ここ最近でかなり下がっているのですが、「信用買い」が前週比で増えているというのは、株価の下落がそろそろ収まり、今後上昇してくると考えている人が多いのかもしれません。
株価の先行きを自分で予測することは難しいのですが、この信用取引情報から、株価の先行きを市場参加者がどのように考えているのかを知ることができます。ぜひご自身の現物取引の際の参考にしてみてください。