5年間の非課税期間が終了した時の選択肢は2つ
旧一般NISAで購入した株式や投資信託等は、譲渡益、配当金等が5年間非課税となっています。
では、その非課税期間が終了した場合は、どうしたらよいのでしょうか?
2024年現在、選択肢は2つあります。
・翌年の非課税投資枠に移行する(ロールオーバー)※2024年現在、ロールオーバーは不可- ・課税口座へ移管する
- ・非課税期間終了前に売却する
購入した株式等に利益が出ている場合、その資金を利用する予定がある時は売却をする、そうでない時は保有を検討する、というようにどれを選択しても問題ありません。
しかし、損失が出ている場合は注意が必要です。
損失が出ている場合の注意点
では、2つの選択肢をそれぞれ選んだ場合の注意点を確認していきましょう。
・翌年の非課税投資枠に移行する(ロールオーバー)※2024年現在、ロールオーバーは不可
・課税口座へ移管する
課税口座へ移管する場合は、非課税期間満了時の時価が課税口座における取得価額となる点に注意します。
例えば、下記のように100万円で購入した株式等が80万円となってしまったケースでは、そのまま課税口座へ移管をすると80万円が課税口座においての取得価額となってしまいます。
その後、例えば株価が90万円になった時点で売却すると、80万円との差額10万円に対して20.315%(所得税15.315%、地方税5%)が課税されてしまいます。
購入時から考えると10万円の損失が出ているにもかかわらず、税金を納めなくてはならなくなってしまうのです。
・非課税期間終了前に売却する
今後、価額の回復見込みがないと判断して保有を続けない場合は、非課税期間終了前に売却をしましょう。
NISA口座内での損失については、課税口座で保有している他の株式等に売却益や配当金等の利益が出ている場合であっても損益通算ができません。
また、損失の繰越控除(3年間)もできず、損失が出た場合の優遇税制は利用できないという点は理解をしておきましょう。
秋山友美
湘南・藤沢・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
家計相談、住宅購入相談、教育資金プランニング、退職後の人生設計、資産形成、保険見直しなど地域密着型の情報提供、アドバイスをしている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。また、地域情報誌にて「家計簿コーチング」連載中。
<保有資格>
CFP®(日本FP協会認定)(財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)